乃木坂46の樋口日奈(24)が31日、東京国際フォーラムホールAで行われた卒業セレモニーに出席し、グループとしての活動を終えた。11年8月に加入した1期生。同期から後輩の5期生まで、現役メンバーらと共に出演しながらほぼ全曲でセンターを務め、11年2カ月間の活動を終えた。今後も女優やタレントとして芸能活動を続ける。

冒頭で1期生オーディション時の映像が流れたあと、1人でステージに立ちライトを浴びた。すぐにメンバーが寄り添うように周囲を囲み、センター曲の「My rule」を披露した。「今日の朝、やっと卒業を実感しました」と語り「乃木坂から旅立つんだなと思って、すごくすがすがしい思いもあったけど、離れるのも寂しいなって思ったり。今、みんなの大切さやいとしさがあふれてきていて、たくさんの方への感謝を胸に今日は楽しみたいなと思っています」とあいさつした。

終盤には7月に卒業を同時発表した同期の盟友、和田まあや(24)と「2人でどうしてもやりたい」と語った「孤独兄弟」を披露した。「まさか11年間乃木坂でいられるとは思っていなかったですけど、まあやの存在がいたから今日まで頑張れた」と感謝。自然と涙が頬を伝った。「全国各地を一緒にまわったり、選抜も一緒だったり、本当に兄弟みたいに共に過ごしてきたなと思います」と思い出を語り、「本当にまあやに乃木坂で出会えてよかったし、最高の自慢の親友です」。曲中にも思いを伝え、ねぎらいのハグを交わした。

加入当時は13歳の中学生。青春の真ん中には乃木坂46があった。歩んできた経験を生かして後輩の相談に乗ることも多く、自身に憧れて加入してきた3期生の阪口珠美(20)にはこの日、唯一センターポジションを譲って「口ほどにもないKISS」を披露。阪口は「つらい時もいつも寄り添ってくれました」と振り返り「明日から私は大丈夫かなってすごく不安になっちゃうんですけど、近くにいれないのは残念なんですけど、ずっとずっと大好きなので、受け止めて下さい」と大粒の涙を流した。

これまでグループが発売したシングル30作中、選抜入りは8曲。「うれしいことよりもつらい出来事の方が多かったはずなのに、今思えば美しい思い出だったなと思えている自分がいました」と振り返った。持ち前の歌唱力や表現力を生かし、舞台「フラガール -dance for smile-」での主演や、21年1月放送のフジテレビ系ドラマ「教場2」出演など、近年は女優としての仕事も増えた。

4期生と共に語ったMCではメッセージにも力が入った。「もうちょっと頑張ろう、頑張ろうと思って11年やってきました」と切り出し「私はつらい時期に卒業を考えちゃうと嫌な思い出になっちゃうなと思っていて。みんなが乃木坂を楽しいと感じる時まで楽しんでほしいなと思います。私もそう思ってやってきていました。そうしたら11年たっていました」と笑った。

自身で考案したというセットリスト全16曲を走り抜けた。「やりきったし、出し切りました。みんなとの楽しい思い出ができて本当に幸せです」と振り返り「(メンバーの)みんながいたから優しくなれたなと思うし、乃木坂46って本当にすてきな場所だなって、11年いてもそう思うってすごいし、みんながいたから今の私もいます。ファンのみなさんもありがとうございました」。最後は笑顔で、ラストステージを締めくくった。【松尾幸之介】