英国のチャールズ国王(73)が、次男ヘンリー王子(38)の妻メーガン妃(41)と初対面した際にバイレイシャル(異なる人種の両親を持つ子供)だと気がついていなかったと国王に関する新たな伝記で明かされていることが分かった。米ニューヨーク・ポスト紙などが報じたもので、8日に発売された国王の伝記「ザ・キング:ザ・ライフ・オブ・チャールズ3世」の中で、王子がメーガン妃を国王に初めて紹介した際のエピソードがつづられているという。メーガン妃は、父親がアイルランド系で母はアフリカ系の米国人のハーフとして知られる。

ヘンリー王子は、2016年にメーガン妃とアフリカのボツワナ旅行に出かけた後、父に初めて恋人を紹介したといい、国王は初対面したメーガン妃のことをウィリアム皇太子の妻キャサリン皇太子妃の妹ピッパ・ミドルトンさんに似ていると話したという。著者のクリストファー・アンダーセン氏によると、メーガン妃について「とても魅力的で楽しい人」という印象を持った国王は、この時点で妃がバイレイシャルであるとは思ってもいなかったといい、後に米国人の友人に「もちろん、まったくそれは問題ではないが、そのことに後から気がついた」と述べていたと明かしている。

メーガン妃は2020年に王子と共に王室離脱後に米国で受けたテレビインタビューで、王室で「人種差別的な発言」を受けたと主張していた。夫妻は発言の主が誰なのかは明らかにしておらず、後にこの発言を巡って犯人捜しが始まるなど世間を騒がせることとなった。

同書では、英王室における人種差別の疑いの歴史について論じており、9月に亡くなったエリザベス女王は人種に対する偏見を持っていなかったものの、夫フィリップ殿下は50年前に黒人を差別する「Nワード」を使っていたことがあると明かしている。チャールズ国王は女王と同様にめったに人種的に無礼な発言をすることはなかったが、アフリカのガイアナ系の作家の出生地が英国マンチェスターだと知った際に「そうは見えない」と発言したことが過去にあったことなども紹介している。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)