女優寺島しのぶ(49)が12日、都内で、主演映画「あちらにいる鬼」(廣木隆一監督)の公開記念舞台あいさつに、広末涼子(42)豊川悦司(60)とともに出席した。

同作は作家井上荒野氏の同名小説が原作。荒野氏の父である作家井上光晴氏と母と昨年11月に亡くなった瀬戸内寂聴氏をモデルに、男女3人の「特別な関係」を描く。

公開から一夜明け、寂聴氏役を演じた寺島は「この映画を試写で見たときは、人と人との縁だったり、出会った人が死ぬまでに絡んでいくことは尊くていとおしいものだなと思いました。それぞれどう感じるかっていうことはお客様次第ですが、とにかくこの映画が広まってほしいなと思います」と願った。

髪を剃(そ)るシーンでは、寺島が実際に髪を剃ったことも話題になった。「剃髪(ていはつ)を一番はじめから決めていたわけではなくて、廣木監督とやるなら廣木さんのためにやるかと。監督も剃髪しているようなもんですから(笑い)。『ぼくもいるから』っていってくださって。豊川さんは『剃ったら呪文とか描いてあったらおかしいのにね』って、ピリピリしているときに柔らかい言葉をかけてくれて、意外と優しいなと。広末さんは(頭を)さわってくれた。剃って良かったなって思いました。剃らないでかつらでやるのとは心の動きが全然違った。説得し続けてくれた廣木さんにありがとうっていう感じです」と振り返った。

豊川は「絶対彼女だったらやるだろうなと思っていた。とっても男前だったので。うじうじ言っている時期ありましたけど、絶対やると思っていました」。広末も「頭の形が良くて気持ちよくて、さらに若返ってしまって。あるシーンのところでは、(寺島が)子どものように見えて少女のようで、ただ一緒にもらい泣きしてしまったシーンがありました」と絶賛した。

豊川は光晴氏をモデルとした作家白木篤郎、広末は篤郎の妻笙子を演じた。