世界3大映画祭の1つ、第73回ベルリン映画祭(2月16日開幕)事務局は23日、最高賞の金熊賞を争うコンペティション部門の出品作を発表した。日本からは、新海誠監督(49)のアニメ映画「すずめの戸締まり」が選ばれた。日本のアニメ映画が同部門に出品されるのは、02年の第52回で金熊賞を受賞した、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」以来21年ぶり。

「すずめの戸締まり」には、原菜乃華(19)とSixTONES松村北斗(27)が出演。九州の静かな町で暮らす17歳の岩戸鈴芽(原)が、”災い”をもたらす扉を閉めることを使命とする「閉じ師」宗像草太(松村)と出会い、日本各地の廃虚を舞台に災いの元となる”扉”を閉めていく、鈴芽の解放と成長を描いた現代の冒険物語。新海監督は、11年に発生した東日本大震災で感じ、考えさせられ、高校生男女の入れ替わりを描いた16年「君の名は。」を製作したが、同作では直接的に描けなかった3・11を「すずめの戸締まり」で明確に描き込んだことも話題となった。

新海監督と主演の原は、現地で行われるレッドカーペットとプレミア上映に参加する予定だ。2人は、コメントを発表した。

新海監督 「すずめの戸締まり」は、十二年前に日本で起きた巨大な出来事が物語の根底にあります。

この映画が海外の観客にどのように映るのか、なにが伝わり、なにが伝わらず、なにを共有し得るのか。

私たちの創作が外部からはどのように見えるのか。それを自身の耳目で確かめる好機をいただけたと考えています。ここまで導いてくれたスタッフたちの才能と尽力、そして応援してくださった皆さまに、心より感謝します。

原菜乃華 私自身、海外に行くこと自体初めてで、それも、歴史あるベルリン国際映画祭にすずめの戸締まりチームで行くことが出来るなんて、とても光栄で、夢のようです。改めて「すずめの戸締まり」という作品に携わることが出来てうれしく思います。映画祭で直接世界中の方々のお声を聞くことがとても楽しみです。『すずめの戸締まり』が世界中で愛されますように!

「すずめの戸締まり」は、世界199の国と地域への配給が決まっている。新海監督の16年「君の名は。」の135、19年の前作「天気の子」の144を大きく上回る。22年11月11日の初日から45日で興行収入(興収)100億円を突破。22日までの73日間で観客動員数963万人、興収128億円を突破した。