杉咲花(25)が9日、東京・スペースFS汐留で行われたWOWOW連続ドラマW-30「杉咲花の撮休」(10日開始、金曜午後11時30分、全6回)完成披露試写会に登壇した。

杉咲は、撮影中の印象的な出来事を聞かれると「印象的な出来事が起こり過ぎて…どれを選んだら良いんだろう?」と一瞬、考えた。突然、訪れた休日“撮休”を過ごす自らを演じる作品の中で「自分と共演するみたいなシーンが、ちょっとあったりして。そこは、すごく不思議な気持ちになりました」と振り返った。

すると、三宅唱監督(39)が「杉咲さんが、自分自身と共演する、というのを撮った犯人は僕なんです」と打ち明けた。同監督は第5話「従姉妹」と最終話「五年前の話」を監督したが、「従姉妹」に出演した橋本愛(27)と杉咲との共演シーンを振り返り「橋本愛さんとの2人だけのシーンで、いいんじゃないかと思うくらい、楽しかった」と振り返った。坂東龍汰(25)芋生遥(26)足立智充(43)と橋本らが出演した最終話についても振り返り「結構な人数が出てくる。楽しいシーンになった。あるフィナーレを迎える。お楽しみに」と語った。

杉咲は「本当に皆さんと、ご一緒したかったので、うれしかった」と三宅監督、松居大悟監督(37)今泉力哉監督(42)の3監督と仕事をともにした日々を振り返った。感想を聞かれると、撮影をした順にそれぞれの監督について丁寧に語った。

今泉監督については「最初は今泉組だったんですけど、今泉さんは、すごく背が高いのに現場でメチャクチャ小さくて。若葉(竜也)さんが、今泉さんのことを『アルマジロみたい』って言う…キュッとなって隅っこにいらっしゃって、ヨーイ、スタートと。緩やかに穏やかに始まって、今泉さんの、ぬくもりのような空気感が広がる。たまにしてくださる、ご指摘の内容は、穏やかな口調で淡々と冷静に意見をくださる。バランスが不思議な方。楽しかったです」

三宅監督については「次が三宅組。三宅さんとは、すごくたくさん会話をした記憶が強くて。こんなに現場で監督と、おしゃべり…と言うと語弊があるかもだけど、したこと、なかったかも。作品の話から派生して、セッティング中、クランクイン前の打ち合わせ含め、いろいろな話をさせてもらった。三宅さんは、気付いたら近くにいて、気付いたらいなくて、本番が始まっている。現実から物語に入って行く、線引きが透明。とても心地よい撮影の時間でした」

松居監督については「松居さんは、口数が少なくて声もボリュームが小さげで、誰よりも恥ずかしくされている印象。そんなたたずまいから、自分は大丈夫、松居さんがいてくださると、緊張しないという気持ちになった。ある方と、その話をした『それも演出だよね』と聞いて、なるほどなと思って聞いていた。多くの言葉は交わさないけれど、たまにジッと目が合う瞬間があって、そこから1話の特別なシーンに入っていく。言葉のない、やりとりから本番に入る…この瞬間に全てをのこしたいという、グッとくるような言葉に出来ないものがあった。たたずまいが雄弁…不思議な情熱のある監督です」

杉咲は、松居監督のことを話す時、ツボに入ったのか、吹き出していた。