TBSは22日、東京・赤坂の同局で、定例社長会見を行った。1月21日に顎下腺がんのため、59歳で亡くなった同局アナウンサーの向井政生さんを、同局佐々木卓社長が悼んだ。

佐々木社長は「向井さんは落ち着いたトーンの個性的な声でニュースを伝えて、聞く人の体の奥底にニュースが届くような、ジワリジワリと染みこんで届くような、素晴らしいアナウンサーだった」と沈痛な面持ちで話した。

続けて「向井さんの影響、向井さんの指導を受けた若いアナウンサーがたくさんいると聞いております」と向井さんの遺志を受け継ぐアナウンサーが多くいることを明かし、「心からお悔やみ申し上げたいと思います」と追悼した。

向井アナは、19年に顎下腺がんが見つかり、翌年から放射線治療を受けていることを公表していた。88年にTBSに入社した向井アナは、バラエティー番組、スポーツ実況、ニュースとオールマイティーに活躍。昨年5月ごろまで仕事を続けたが、その後は療養に専念していた。晩年はラジオドラマや「Nスタ」(月~金曜午後3時49分)「報道特集」(土曜午後5時30分)などニュース番組のナレーションにこだわりをもって、特に力を入れて取り組んでいたという。