長渕剛(66)が今年から毎年、ふるさと鹿児島で自然塾を開校する。今夏はテストケースとして、8月下旬に小学生20人程度が2泊3日の予定で参加。自然の中で一緒に遊びながら学ぶ。6月24日から始まる「Concert Tour2023 OH!」の取材の中で、本人が明かした。

長渕は11年8月に、東日本大震災の福島第1原発事故で避難生活を送る福島・浪江町の小学生20人を、鹿児島・霧島市でのサマーキャンプに招待した。約1週間、津波の記憶で海を怖がる子供たちと一緒に、海に飛び込んだ。子供たちは明るさを取り戻した。

以来、同所での自然塾の構想を持っていたが、コロナ禍などで止まっていた。長渕は「(来年以降は)全国から小学生を募集して、毎年継続していきたい。すでに情熱あるスタッフも面接しています」と語る。

自然塾の目的の1つに、コロナ禍や時代の急速な変化で崩れた親と子、大人と若者の信頼関係の再構築があるという。「子供は子供なりの感性で語ろうとしている。なのに大人も教育も上から語る。子供たちの感性を大人が知るべきなんです。それが信頼という財産になる」。自然塾は、大人であるスタッフにとっても学びの場にもなる。

全国ツアーは、14都道府県20公演を行う。ツアーに合わせ新曲も発表する。9月7日の誕生日は、東京・日本武道館で迎える。「日本の空にこぶしをたたき込むんだという思いで、大暴れしたい」と誓った。【笹森文彦】

◆長渕剛(ながぶち・つよし)1956年(昭31)9月7日、鹿児島県生まれ。78年「巡恋歌」で本格デビュー。「順子」「乾杯」「とんぼ」などヒット曲多数。アルバムは「LICENSE」「昭和」「JEEP」など5作連続を含む12作品がチャート1位。04年に鹿児島・桜島で、15年には富士山麓でオールナイトライブを開催。俳優、画家、書道家としても活躍。