宝塚歌劇団宙組トップ真風涼帆と、相手娘役・潤花の退団公演「カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~」が11日、兵庫・宝塚大劇場で初日を迎える。

現役最長の“トップ・オブ・トップ”が、サヨナラ作で臨むのはジェームズ・ボンド。イアン・フレミングの小説「007/カジノ・ロワイヤル」をもとに、小池修一郎氏が脚本・演出を手がけた。

真風は、小池氏の「NEVER SAY GOODBYE」で初舞台を踏むなど、縁も深く、小池氏と相談しながら「自分なりのジェームズ・ボンド像」を模索。開幕に先立つ取材会で、思いを語っていた。

「いろんなシリーズで作品がたくさんあり、代々、歴代、いろんな方が演じてこられた。時代や演じられる人によって、すごく幅広い役柄。小池先生からも、私なりのボンド像を-と、アドバイスいただいて」

研18(18年目)で退く男役集大成のキャラクターを最後まで磨く。

真風は17年11月、相手娘役に星風まどかを迎えトップ就任。21年6月から2人目相手娘役の潤花と組んだ。退団までの在位、約5年7カ月は、平成以降では和央ようか、柚希礼音に次ぐ。コロナ禍で休止期間も含む任期になったが、それでも本拠地9作での退団は、元花組トップ明日海りおの10作に続く数になる。

最後の作品にあたっても稽古は「いつも通り」の感覚で臨み、「まだ、(宝塚人生を)振り返ってはないですね」と話していた。

トップとして、組を率いる重責にも「トップだからというのではなく、舞台人として、3時間の舞台、お客さまがこの劇場にいて、元気になって、明日への活力になるような舞台を届けられるように。それだけを思ってきた」。こう言い、稽古を重ね、退団公演の幕開きを迎える。

宝塚大劇場は4月17日まで。東京宝塚劇場は5月6日~6月11日。真風は潤花らとともに、東京千秋楽をもって退団する。