作家五木寛之氏の「親鸞 青春篇」を初めて舞台化する京都・南座4月公演の会見が10日、大阪市内で行われ、主演の藤山扇治郎(36)らが出席した。

若き日の親鸞を演じる扇治郎は「まさか自分が親鸞役とはびっくりです。自分とはほど遠い人物ではありますが、原作を読んで人間味のある温かい方とわかりました。一生懸命に務めます」。祖父の藤山寛美さんが人情芝居、泣き笑いを大事にしていたのと通じるものだという。

さらに扇治郎は「スマホも車もない時代、どんなふうに幸せを求めてきたのか、今と変わらないものととらえて見ていただきたい」「お坊さんの格好をしていても、心でイヤなことを考えていたらそれが表に出ます。ふだんから意識しないと舞台に現れるので、そこを注意したい」と語った。

親鸞と結婚する紫野にふんする、はいだしょうこ(43)は「こんな素晴らしい舞台、私で大丈夫かと不安でした。久々に大阪に来て、宝塚時代の同期の着物を着ています。気持ちが引き締まります」「私の役は、親鸞さんの苦労をそばで見ているしっかりした女性。親鸞さんが安心できるような強さを身につけたい」

はいだは母が京都出身。いつも南座の前を歩いていたという。「京都は旅行でよく来ますが、何度来ても落ち着きます。今回の公演に呼んでいただいて光栄です」

須賀貴匡(45)は「まさか自分が南座公演に呼んでもらえるとは驚きです。世の悪をすべて引き受けたかの極悪人の役。不安でもあり楽しみです」。

紫野の妹を演じる春本由香(30)は「扇治郎さん、三林さんとは以前に共演経験あります。言葉遣いなど難しく、いろいろ頑張らなくては、と気合を入れてます。私の役は、強くやさしい女性で姉思い。実際に兄がいるので(尾上松也)、きょうだいの絆をうまく出せたら」

三林京子(71)は「実は、扇治郎さんのシリアスな芝居が(喜劇よりも)好きなんです。原作を読んでみて、私の役は『太った女』とあるので、ダイエットしなくてすみそうです(笑)」

三林のコメントを耳にした扇治郎は「シリアスな芝居がいいと言われて、まだまだ若い自分なので、うれしく受け止めています」と笑顔を見せた。

藤川矢之輔(72)は「南座の舞台を初めて踏んだのは7歳でした。実在の人物を演じるのは難しいですが、頑張ります」

今年は、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人生誕850年の節目。南座公演は4月10~29日。