タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校111期生の合格発表が29日、兵庫県宝塚市の同校から発表され、40人があこがれの扉を開く切符を手にした。

受験可能になる中学卒業年を待って受験したという井上侑香さん(15)は、滋賀県大津市の出身。地元の「草津歌劇団」で、宝塚歌劇団OGらの指導も受け、「歌うことが大好き。宝塚の舞台で、エトワールを目指しています」と目を輝かせて語った。

祖母が宝塚ファンで、18年の月組「カンパニー」で初観劇。以来、受験を心待ちにし、初受験で合格した。身長161センチで娘役志望。「(元雪組トップ娘役の)真彩希帆さんや、純名里沙さんがあこがれです」。合格は父の車中で確認したといい「うれしすぎて、言葉にならない思い。思いっきり叫びました」と照れながら振り返った。

コロナ禍以降、今年も4年連続で、学校構内での合格者番号掲示はなく、ホームページでの発表。合格者は正午前までに順次、入学手続きなどのため、学校へ参集した。

福岡県から来た平尾百合音(ゆりね)さん(18)は、身長169センチの男役志望。3度目の受験で合格し「小学4年の時、初めて雪組全国ツアーのベルサイユのばらを見てから、宝塚に入りたいと目指してきました」と満面笑みだった。

すでに習っていたバレエに加えて、歌やダンスも学び、宝塚ファンの祖母、母の応援も受けたが「不安でいっぱいでしたが、(自分の)番号を見た瞬間、吹き飛びました」。ラストチャンスで夢へと続く道を開いた。

あこがれ、目標には月組人気スター鳳月杏をあげ「ダンスもキレッキレで、歌も迫力があって、芝居でも役になりきってらっしゃる。尊敬しています」と、話していた。

今年の受験者数は612人、競争率は15・3倍。111期生の入学式は4月15日に行われる。