玉木宏(43)が6日、東京・LINE CUBE SHIBUYAで行われた「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」オープニングセレモニーに、監督として登壇した。

玉木は、5人の人気俳優が短編映画の監督に挑戦するプロジェクトの第3弾「WOWOW アクターズ・ショート・フィルム3」で監督作「COUNT 100」を製作した。

玉木は、苦労した点について聞かれると「苦労した点は、なかったですね。本当に楽しいばかりで、時間を忘れて、いつまでも撮影したくなるような感じでした」と即答した。思わず自分が演じたくなったか? と聞かれると「その(演じる)脳みは(監督の脳とは)一緒に出来なかった。監督という立場に専念してやりたかったんですけど」と返した。「WOWOW アクターズ・ショート・フィルム」は、365日の準備期間をかけ、48時間で撮影し、25分以内にまとめ、かつ監督を務めた俳優が1シーンでも出るのが条件。玉木は「1シーンでも必ず、出なければいけないということで…本当は出たくなかった」と、出演する気がなかったことを吐露した。

「COUNT 100」は、1度はチャンピオンの座につくものの、手ひどい負けを喫し、彼女からも見放されてしまったプロボクサーの光輝が、ある日、路上で不思議なチラシを渡される物語。光輝を林遣都が演じる。ストーリーについては「万一、自分に何かがあって、誰かにその場所を乗っ取られてしまったら怖いな、と思う不安が大きく、そこをストーリーに出来たら面白いんじゃないかなと。今回はクローン人間が出てきて、自分の居場所を乗っ取られる。(短編の)短い間で、怖さを表現できたらな、と思ったのが最初」と語った。

さらに「僕の知り合いに結構、面白いものの書き方をするライターさんがいる。『自分の今、気になる単語を100個くらい上げて』と言われて。ズラッと上げた単語は今、自分の頭の中にあるもの。僕自身もやって、メッセージ性になりそうなものをつなげて、ストーリーにした感じ」と、脚本開発の裏側を明かした。そして「苦労というより、自分の頭の中に思い描いているものを、共通認識としてスタッフの方に共有するのが難しかったですけど、撮影中は、楽しいしかなかった」と振り返った。

「WOWOW アクターズ・ショート・フィルム」は、玉木のほか高良健吾(35)が「CRANK-クランク-」、中川大志(24)が「いつまで」、野村萬斎(57)が「虎の洞窟」、この日はリモートで参加した土屋太鳳(28)が「Prelude~プレリュード~」で監督を務め「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」のグランプリを目指す。

「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」は、04年から米アカデミー賞公認となったアジア最大級の国際短編映画祭。インターナショナルカテゴリーが25周年、アジア・ジャパンカテゴリーが20周年を迎える本年は「UNLOCK」がテーマ。20年からアカデミー賞候補枠が4枠となっており、16年には「合掌」が、米アカデミー賞短編実写部門でオスカーを獲得した。