女優川添野愛(28)が16日公開のホラー映画「忌怪島/きかいじま」(清水崇監督)で、主演のなにわ男子西畑大吾(26)と初主演を果たした。島とメタバースを題材に、忌怪島を訪れたVR研究チームが不可解な死と謎、恐怖に陥る。川添はVR研究チームのプログラマー、衛星スキャン担当の三浦葵役を熱演している。インタビュー前編はホラー映画初挑戦とオファーのきっかけ、意気込みを聞いた。【取材・構成=高橋洋平】

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出演オファーはホラー映画の大家、清水監督の熱心な“スカウト”活動から生まれていた。

「清水監督が以前から私の作品舞台や映画を見に来てくださってて。その度に丁寧な感想のメールをいただいてて。コロナ禍とかもあったので直接お会いすることがなかったんですね。でも結構いくつか、私の出演作品を見に来てくださってて、ご一緒できる時があればってお話だけはしていたんですけど、実現したのがこの作品でした」

ホラー映画初出演となるが、実際はホラー映画との接点は薄かったという。

「ホラーは全くたしなんでこなかったもので、どっちかというと避けてきたぐらいでした。でも清水監督にいろいろなご縁を感じたところがあったっていうのと、新しい挑戦、トライしてみるのはどうかということで、知らない世界を知るいいチャンスだとプラスに切り替えて挑もう、楽しもうっていう感じでした」

清水監督は「呪怨」シリーズで知られ、近年は「犬鳴村」「樹海村」「牛首村」の「恐怖の村 3部作」を手がけている。ホラー映画と疎遠になった理由は、清水監督作品がきっかけだった。

「オファーが来る前に見ていたのは、小学生の頃にテレビでやっていた『呪怨』ぐらいです。私のホラーはそれだけなんです。『呪怨』がトラウマになって、もう2度と見ないぞと思って。ただ怖かったっていうインパクトだけが残ってて。今見たら、もうちょっと何かいろいろ感じることがあるかもしれないですけど。清水監督と正式にお仕事するって決まってから、『村3部作』は見ました」

ホラー映画への初挑戦で最初は驚きもあったが、結果的に新たな可能性を感じることができたという。

「最初はびっくりというか、大丈夫かなっていうか。一番の心配は完成した映画を、私が責任を持って最後まで見られるのかなっていう不安がすごいあったんですけど(笑い)。結果から言って、本当に参加してよかったし、自分がホラーに対してすごくいろんなことを勘違いしてたなっていうことも気づいたし、本当にプラスのことしかなかったですね」

実際に演じてみて、新たな発見があった。

「ホラー映画って、とにかくびっくりさせたいとか、驚かせたい、怖がらせたい、本当にこれが全てだと思ってたので、実際演じる側とすれば、常に怖がらせるシーンというよりは、メリハリがある感じだったんですよね。この作品自体の人間ドラマ的なものがベースになっていて、そこにホラー要素が入ってきているというか、たまたまそれが一緒にいたぐらいの感じだった。それがまずすごい発見でしたね。人のお話なんで人間だし、それぞれの人生もちゃんと描かれていて、こんなに感動するものだったっていうか」(つづく、後編は15日午前7時配信予定)

◆川添野愛(かわぞえ・のあ)1995年(平7)2月5日生まれ、東京都出身。幼少期より杉並児童合唱団に12年間在籍。15年、多摩美大在学中にWOWOW「贖罪の奏鳴曲」で女優デビュー。主な映画出演作は「パパはわるものチャンピオン」「ミュジコフィリア」。現在、丸源ラーメン「感動肉そば!」編のCMに出演中。163センチ。