戦後に子役として活躍し、田端義夫さん(13年死去)と歌ったデュエット曲「親子舟唄」などでも知られる歌手、女優の白鳥みづえ(しらとり・みづえ、本名・坂口瑞江)さんが21年9月21日、多発性脳梗塞のため栃木・日光市の病院で死去していた。77歳。22日、日本歌手協会から発表された。

3回忌を前に判明したという。葬儀は日光市で近親者により執り行われた。

1944年(昭19)9月15日、中国・上海生まれ。戦後に引き揚げ、5歳の時に福岡・小倉で開かれたNHKのど自慢大会で3位入賞。51年に大映映画「母月夜」で映画デビューすると、「母波」「母千鳥」「母人形」といった大映母物映画での涙を誘う子役演技で人気を得た。

同年に「母月夜」の主題歌「黒いひとみ」で歌手デビュー。映画主題歌や童謡なども吹き込んだ後、10歳だった55年に田端さんと歌った「親子舟歌」が大ヒットした。

昭和50年代のカラオケブームの中でも「お吉物語」「片恋酒」などをリリースし脚光を浴びた。10年ほど前までは日本歌手協会の「歌謡祭」や、歌番組などに出演していたが、病に倒れた後、亡くなる前は入退院を繰り返していたという。

訃報を受け、来月14日のBSテレ東「プレイバック日本歌手協会歌謡祭」(午後5時58分)では、86年の「第8回歌謡祭」で白鳥さんが歌った「母子舟」を放送する。