9日に都内で行われるイベントに出席するため来日する英国のヘンリー王子(38)が、妻メーガン妃を米国に残して単身で来日すると英エクスプレス紙が報じた。スポーツ振興団体のイベントに出席するため、2019年以来4年ぶり、王室離脱後は初となる来日を果たす王子は、今回も単身で9日に日本入りすると伝えている。メーガン妃とは不仲説も浮上する中、情熱を注ぐ慈善団体の活動に専念することになりそうだ。

王子は、共同設立した慈善団体「サンタバリー」が12日にシンガポールでポロの慈善試合を開催するのに合わせ、都内で開かれる国際スポーツ振興協会(ISPS)のサミットに出席することになっている。サミットには王子の友人で、サンタバリーのアンバサダーを務めるポロ選手のナチョ・フェゲラス氏も共に出席を予定している。

ヘンリー王子とメーガン妃夫妻は、このところ音楽配信大手スポティファイとの契約を打ち切られ、ネットフリックスで昨年末に配信されたドキュメンタリー番組「ハリー&メーガン」がテレビ界のアカデミー賞とされるエミー賞ノミネートを逃すなど、米国での評判がガタ落ち。ネットフリックスとの新たなプロジェクトも全米脚本家組合と全米映画俳優組合のWストライキの影響で一時中断されている中、単身でのアジア訪問は王子自身をPRする絶好の機会となる可能性があると伝えている。

王子とレソト王室ソーイソ王子が、貧困や不平等、エイズ、さらに最近では新型コロナウイルス感染症の影響を受けるアフリカの子どもたちを支援するため2006年に立ち上げたサンタバリーは、2010年以来ポロの慈善試合で1400万ドル以上の寄付金を集めている。今回のアジア訪問でも寄付金集めにおいて王子は極めて重要な役割を果たすだろうと、王室編集者ジャック・ロイストン氏は述べている。「彼が素晴らしい仕事をしていることをみんなに思い出してもらえるはずだ」と話し、ヘンリー王子自身にとってこのアジア訪問が評判回復の切り札になる可能性を示唆している。

王子は9月には同じく王室時代に立ち上げた負傷兵や退役軍人らのための国際的スポーツ大会「インビクタス・ゲーム」を開催するため、ドイツを訪れることになっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)