乃木坂46が28日、東京・神宮球場で、「真夏の全国ツアー2023」千秋楽公演を行った。「大きな試練」だったグループ歴代最多となる同球場4日間公演。1、2期生が全員卒業し3~5期生だけになって初めてのツアーを、“聖地”のライブで完走した。

冒頭で新センターの5期生井上和(いのうえ・なぎ=18)が「神宮~! 最終日盛り上がっていくぞー!」と絶叫し、「裸足でSummer」を披露。続いて4期生の遠藤さくら(21)が「ジコチューで行こう!」で「神宮4日目、みんなですてきな最終日にしましょう」と呼びかけ、「好きというのはロックだぜ!」では賀喜遥香(22)が「ツアーラスト盛り上がる準備できてますか~! タオル回していくぞ~!」とアピールした。

さらに「太陽ノック」で3期生久保史緒里(22)が「史上最高の夏にするぞ~!!」とアオり、「ガールズルール」で山下美月(24)が「神宮~いくぞ~!!」と絶叫。大歓声を浴びた。

今年2月に前キャプテン秋元真夏(30)が卒業、5月には絶対的エース齋藤飛鳥(25)の卒業コンサートを終え、完全に1、2期生が離れた。「新生乃木坂46」として臨む初めてのツアーで、過去最多4日間の神宮公演に挑戦した。

出演メンバーは、歴代の神宮ライブで最も少ない32人。それでもチケットは完売し、1日3・8万人、4日間で計15・2万人を動員した。金川紗耶(21)は「3、4、5期生での神宮は初めてで、不安や大変さも味わったりして。でも皆さんの顔を見て、今の乃木坂も最強だなって思いました!」と笑顔を見せた。

序盤こそ先輩の1、2期生の印象が強い楽曲も披露したが、中盤以降は「ごめんねFingers crossed」「Actually…」「I see…」など現役メンバーがセンターを務める楽曲を続け、観客を魅了した。本編ラストは最新シングル「おひとりさま天国」をパフォーマンス。夜空に460発の花火が上がった。

加入2年目の5期生ながらセンターとしてツアーを引っ張ってきた井上は「今日まで全国ツアーでたくさんライブをさせていただいて、素直な感想は、楽しかったっていうことよりも、安心感の方が強いです」とスピーチ。涙で声を詰まらせながら「私も、もっともっと、誰かの期待に応えられるような人になりたいし、もっともっとこう、希望を与えられるような人になりたいなと思います。そして乃木坂46が、これからも誰かの頑張る理由になれるように、頑張ります」と誓い、拍手を浴びた。

8月22日に結成13年目に入った。アンコールで山下美月(24)は「ツアーを引っ張ってくれた和も2カ月ですごく強くなって、カッコよく頼もしい後輩だなって尊敬しているし。アンダーセンターの(松尾)美佑も、心配いらないくらいセンターと立っているし。初めてツアーをキャプテンとして引っ張ってくれた梅もすごい重圧だっただろうけど、梅がいたからみんなここまで走ってこられたと思う」とメンバーへのリスペクトを伝えた。

さらにメンバーファンやスタッフへの感謝も伝え、「ここに立ってない子もいるんですけど、私たちは全員で乃木坂46なので、歴史をつないできてくださった先輩方にも感謝したいですし、10年後とかにも、神宮に乃木坂46が立てていられたらいいなぁと思うので、つないでいきたいです」と誓った。久保史緒里(22)とダブルセンターを務める「人は夢を二度見る」をパフォーマンスした。

ラストの「乃木坂の詩」を終え、梅澤は感極まった。「神宮4日間、乗り越えることができました!」と叫び、瞳に涙を浮かべた。「とても大きな試練でした。怖さも不安もあったけど、今、先輩達の後をしっかり受け継げたと思います」と言い、一呼吸置いて「私たちが乃木坂46です!」と言い切り、大きな拍手を浴びた。

梅澤は「過去も現在も未来も、全部まとめて愛して、みんなで前に進んでいきます。これからも私たちを信じて、ついてきてくださるとうれしいです」と呼びかけ、「最高のツアーでした!! ありがとうございました!!」と言って涙をぬぐった。【横山慧】