ゴジラ生誕70周年記念映画「ゴジラ-1.0」(ゴジラマイナスワン、山崎貴監督、11月3日公開)完成報告会見が4日、都内で行われ、神木隆之介(30)と浜辺美波(23)が、主演とヒロインを演じると発表された。

2人はNHK連続テレビ小説「らんまん」(月~土曜午前8時)で夫婦を演じている。30作目となる世界的な特撮映画シリーズ主演への重圧、苦悩を明かした神木だが、日本国内の歴代興行収入(興収)ランク上位作に軒並み出演した実績も十分。決意の演技で大作を背負う。

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神木は、1954年(昭29)公開の初代「ゴジラ」(本多猪四郎監督)から70年を前に「ゴジラは誰もが知っている別世界の存在。携わることが出来るといううれしさ」と、主演を受けた理由を語った。「1人のキャラクター、人間として何を表現できて、どれくらい自分が背負っていけるんだろうか」と不安もあったが「ぜひ携わってみたい」と葛藤の末、決意した。

95年に2歳でCMに出演し芸能界デビューして28年。歴代興行収入ランキング2位のスタジオジブリ作品「千と千尋の神隠し」や、邦画の実写映画で1位の「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」など、キャリア全般に日本映画史に残る作品が名を連ね、大舞台を経験してきた。

そんな神木でも製作・配給の東宝最大の、全国500館で公開する作品の主演は「とてつもなく大きなものを背負わなければいけなくなる。今の自分の実力で耐えられるかな」と思うほどの重責だった。シリーズで初めて終戦直後を舞台に、戦争から荒廃した日本に生還した敷島浩一という役も「経験したことがない。同じくらいの苦しみを自分に与えるべきか…どうやったらいいんだろうというのは初。苦しかった。何かに追いかけられる夢を連日、見た」ほどの難役だった。

それでも、重たい言葉を語りながら笑みはすがすがしかった。「迷いながらやっていた。気持ちが、役の手伝いになれていたら良いなと」。揺るぎない覚悟が口からあふれた。【村上幸将】