俳優稲垣吾郎(49)が主演を務める映画「正欲」(岸善幸監督)が11月10日から公開される。このたび、第36回東京国際映画祭(10月23日~11月1日)コンペティション部門への正式出品が決定した。本映画祭が「正欲」のワールドプレミアとなる。出品決定に際し、本作メインキャスト陣からコメントが到着した。
◆メインキャスト陣コメント
▼稲垣吾郎「観た後、それぞれ違った感じ方をしていただきたい映画になっていると思います。全てに疑問を持ちながら、純粋な気持ちで演技に向き合うことができました」
▼新垣結衣「問われている感覚が、原作を読んだ時から、映画が完成した後もずっとそばにあります。自分が想像しえない世界は確実にあって、そこにいまも生きている人がいる。それがどういうことなのかを常に考えながら撮影した作品でした」
▼磯村勇斗「観終わった後、温かい気持ちになり、自分を大切にしようと思いました。この『正欲』を通して、我々と観て下さった方が『何か』を共有し育み、互いに勇気を持って、一歩でも半歩でも自分の人生を進めていけるようなれたらうれしいです」
▼佐藤寛太「善く生きるということ。人と共存するということ。人生の意義を考えること。暮らしのなかでは保留することができる答えのない問いが、映画という実態を伴って眼の前に現れました。僕はこの作品を引きずって大人になっていこうと思います」
▼東野絢香「完成された『正欲』は、人間の命がとても美しく描かれた映画でした。上手に息が吸えない私たちに、今を生きるための酸素を送り届けてくれる作品です。この映画が、少しでも多くの方に届く事を、心から願っております」
同作は家庭環境、性的指向、容姿-さまさまに異なった”選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマをあぶり出していく衝撃的なストーリー。
▼あらすじ 横浜に暮らす検事の寺井啓喜(稲垣)は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月(新垣)は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。
ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也(佐藤)。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子(東野)はそんな大也を気にしていた。
▼原作:「正欲」(新潮文庫刊) 原作小説は、09年「桐島、部活やめるってよ」で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年「何者」では直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた渾身(こんしん)の一作。21年3月に発売されるやいなやその内容が波紋を呼び、第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作。自身が「小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品です」と語る通り、共感を呼ぶ傑作か、目を背けたくなる問題作か…「この衝撃は読んでみないとわからない」「もう読む前の自分には戻れない」と、続々と読者が増え続けている。