宝塚歌劇団の専科スター水美舞斗(みなみ・まいと)と、星組人気スター暁千星(あかつき・ちせい)が役代わりで主演する星組公演「ME AND MY GIRL」が9日、福岡・博多座で開幕した。初日は水美の主演でスタート。主人公ビルの恋人サリーは星組トップ娘役の舞空瞳が務め、水美と舞空のコンビで、タップダンスも披露。おなじみ、長テーブルの上でステップを響かせた。11月2日まで。

4月末に花組から専科へ移って初の舞台出演となる水美は、開幕に先立つ取材で「うれしくて、ワクワクした気持ちと、ちょっぴり不安な気持ち」と言い、暁、舞空との共演には「頼もしい2人」と信頼を置く。水美と初共演の暁は「楽しみながら舞台を作っていきたい」。花組時代に共演経験のある舞空は「水美さんとまた共演させていただけるご縁が夢のよう」と話し、稽古に励んできた。

今作は、1937年にロンドンで初演された大ヒットミュージカル。宝塚では87年に剣幸を中心とした月組で初演され、以来、何度も再演が重ねられてきた。1930年代のロンドンを舞台に、下町で育った名門貴族の青年ビルが一人前の紳士に成長するまでを、恋人サリーとの恋物語を絡めて描くコメディーだ。

星組では、8月27日に千秋楽を迎えた前本拠地作を機に、トップ礼真琴が休養に入り、礼と同期の水美が専科から出演し、暁と役代わりで主人公ビル、遺言の執行人ジョン卿を交代で演じる。

星組人気スター極美慎は女役のジャッキーに挑戦、その恋人ジェラルドは天華えま、お抱え弁護士のバーチェスターは芸達者なひろ香祐がふんしている。

同劇団では9月30日に宙組生が急死し、兵庫・宝塚大劇場での宙組公演は22日までの中止が決まった。生徒の心身ケア強化に努め、今回の博多座公演で向けても「生徒の安全に留意して」備えてきた。

開幕前日の8日には博多座の舞台で通し稽古を行い、最終確認。水美は「明日の初日から皆で一丸となって頑張っていきます」、暁も「明日からの公演、どうぞよろしくお願いします」と言い、幕開けを迎えた。