英国のヘンリー王子(39)とメーガン妃(42)夫妻が10日、パパラッチに執拗(しつよう)に追いかけられて「あわや大惨事」の危険なカーチェイスに巻き込まれたと主張してから5カ月ぶりに米ニューヨークを再訪問した。

世界メンタルヘルスデーに合わせてニューヨークで行われた自分たちが立ち上げたアーチウェル財団の初の対面式イベント「ペアレンツサミット:デジタル時代のメンタルウェルネス」に出席した夫妻は、ホテルから会場までわずか1ブロックの距離を、警察車両に前後を挟まれて護衛を受けながら7台もの車列で移動したと英デイリー・メール紙が報じた。環境問題に対する意識が高いはずの夫妻が、ガソリンを大量に消費するSUV7台での大移動と皮肉っている。今年5月には夫妻と妃の母が乗った車が危険なパパラッチに追い回されたと非難する声明を出すも、「誇張」だと逆に批判を浴びる事態となった。

今回のイベントは、若者にとってより安全なオンラインの世界に向けて前向きな変化を生み出すことについてディスカッションすることを趣旨としたもので、SNSの使用に関連して子どもを失った親たちも参加して自分たちが体験した悲劇について語ったという。夫妻もそろってパネルスピーカーとして登壇。「2歳半と4歳の幼い子どもを持つ親ですが、SNSが消えることはない」と妃は語り、当初はコミュニティーを作るというポジティブなものとして作られたはずのSNSだが、何かが変わってしまったと話し、1年前に子どもを失った家族と会って話を聞いた時に涙したと振り返った。

一方で英エクスプレス紙は、ニューヨーカーは夫妻のことなどまったく気にしていないと伝え、会場付近にやじ馬やファンが集まることもなく、まったく注目されていなかったと人気の低さを指摘。先月、単身でニューヨークを訪問した英王室のウィリアム皇太子を一目見ようと大勢の王室ファンが集まったのとは、対照的であることを伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)