北野武監督(76)が15日、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。会見の冒頭から「初めまして、ジャニー北野川でございます」とあいさつ。「SMILE-UP.(スマイルアップ)」(旧ジャニーズ事務所)の創業者で、一連の性加害問題が取りざたされた、ジャニー喜多川氏(19年死去)に引っかけて、ジョークを飛ばした。

そのことを受けて、一連の性加害問題について「何百人の子どもを巻き込んだスキャンダルを聞き、驚いたか?」と質問が飛んだ。北野監督は「ジャニーズのタレントとは何人も仕事をしてきたし、うわさも聞いてきて、いろいろな人からよくあったことだと聞いていたけど、自分たちは、そういう世界に行ったら、あるだろうなとしか考えていなかった」と語った。

一方で「最近になって、世界的に大きな問題になっていくのが時代の流れかなと思う」とも語った。その上で「芸能の仕事は奴隷ではない、商品として人間を扱って、商品としてお金を稼ぐのが芸能界だという昔ながらの習慣、慣習が残っている」と日本の芸能界の慣習について触れた。その上で「海外の芸能界は、よく分からないけれど、日本の芸能界は、昔は猿回しというのがあった。『悪いことをすると、お前はサーカスに売っちゃうぞ』という変な脅しもあった。お笑いの世界も働いても10分の1しかもらえないこともあった。最近は良くなったけど、日本の芸能界はひどいところだと思った」と、日本の芸能界の問題点を指摘した。