日本テレビは27日、都内の同局で定例社長会見を行った。

編成担当の福田博之専務は、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の故ジャニー喜多川前社長の性加害問題をめぐる最新の動きとして、11月24日に同局のコンプライアンス担当役員とコンテンツ戦略局長が、SMILE-UP.幹部と面会したことを明かした。日テレは同社の経営体制などを注視し、被害者補償などの進捗(しんちょく)などが見られるまでは同社タレントの新規の出演契約を見送るとしている。福田専務は「こちらから申し入れも行っているので。現状についてお聞かせいただきました」といい、「スタンスは今までと変更はありません」と語った。

同局番組にはSMILE-UP.のタレントも多く起用されており、会見では「news zero」でキャスターを務める嵐櫻井翔についての質問も飛んだ。櫻井は18日に同局系音楽番組「ベストアーティスト2023」の総合司会を今年も務めること、24日には1月放送の同局系主演ドラマ「大病院占拠」の続編ドラマへの出演が立て続けに発表された。新規の起用を見送るという方針との違いについて、福田専務は今回のドラマについては「かなり前から決まっていたもの」といい、起用を見送るとする同方針は「レギュラー番組の新しい起用についてという言い方が正しいかもしれません」と説明した。

石澤顕社長は同件について「境目をつけることが難しい」と語り「(SMILE-UP.が)改善努力を真摯(しんし)に行っているのかどうかをステークホルダーとしてお願いしている。出演契約という形で業界全体にわたって人権を大事にした物作りを共有しながら、心から楽しむことのできるエンタメを見てもらえる環境作りをしてもらえることが大事」と話した。