宝塚歌劇団は18日、外部の弁護士らによる調査チームの報告として11月14日に公表した調査報告書を公式ホームページから取り下げた。劇団はこの日、取材に、取り下げ理由については「現在も、引き続き精査をしており、ご遺族の要請もございましたことから決めた」と語った。

劇団は「12月7日にお知らせしましたとおり、今回の件に関し、弊団としましては、12月6日に受領したご遺族代理人の意見書や翌7日のご遺族代理人の会見の内容なども踏まえて改めて事実関係の精査などを行ってまいります」と継続して調べを進めると表明。

その上で「(調査報告書で)指摘された問題点なども重く受け止めてはおりますが、当該調査報告書の内容のみにとどまることなく、ご遺族代理人の意見書や会見の内容も踏まえたうえで、ご遺族のお気持ちやお考えを真摯(しんし)に受け止め、引き続き誠実に協議してまいりたい」とし、今回「ご遺族の要請もございましたことから、調査報告書概要版については、掲載を取りやめることとしました」とし、ホームページにも取り下げの理由をつづった。

劇団をめぐっては、9月に25歳宙組団員が転落死し、遺族側は死亡の背景に過重労働に加え、いじめやパワハラがあったと主張。劇団側は11月14日に調査報告書を公表し、過重労働こそ認めたものの、いじめやパワハラは「確認できなかった」とした。

このことから、両者があらためて協議の場をもった上で、12月7日、遺族側は、団員が生前、親族に送信したメッセージを公表。これを「証拠」とし、意見書を5日付で劇団へ送付した。劇団でも「12月6日に、当方代理人を通じて、受領しました」と認めていた。

またこの日、劇団は遺族との面会について「改めて正式な謝罪を申し上げる機会をいただけるように努めてまいりたいと考えております」とした。