脳科学者の茂木健一郎氏(61)が23日、X(旧ツイッター)を更新。SNS上で物議をかもしている、18日に放送されたTBS系バラエティ番組「櫻井・有吉THE夜会」の企画内容について、「一発アウト」と批判した。

問題となっている企画は、沖縄県出身の女優、二階堂ふみが「方言禁止記者会見」に挑戦するというもので、同郷記者からの沖縄弁での質問に標準語で答えるという内容。同番組では以前、長崎県出身の女優仲里依紗も同じ企画にチャレンジしていたが、今回はかつて琉球王国が廃され日本に組み込まれた沖縄の人々が方言を禁じられて差別を受けた「方言札」の歴史を想起させるとして一部SNS上に批判の声があがった。

茂木氏は19日、「この番組に関わっている人たちの中で、誰も、これ、マズイですよ、って言わないでそのまま宣伝していること自体が、信じられません。。。」と投稿していたが、今回も動画で「沖縄で方言禁止という歴史があったことを考えると、今回の案件は一発アウトだと思う」と言及。

また、「これは沖縄に限らない。すべての日本の方言に対して、特に放送という標準語を広げる役割を果たしてきた(メディアの)中で、しかも記者会見という公の場(という設定)でやることのヤバさっていうのはリテラシーとして持っていないと」と指摘し、「(同番組に携わるスタッフらの中に)『これは現代の感覚、価値観からしてマズイんじゃないか』と言う人が1人もいなかったことが信じられない。端的に言うとリテラシー、教養が足りない。本当に残念な気持ち」と苦言を呈した。

さらに「ポリコレ的な意味以前に、そもそもこういうスケッチを企画して、それを面白いと思う感性、マインドセット自体が完全にアウト。これが日本の笑いが調子っぱずれになっている根本原因」だと私見を述べた。

なお、同番組企画についてはSNS上でも賛否が分かれており、「方言出たら札をかけるという企画なら物議もわかるけど、そうじゃないよね?これが物議になる方が差別だし、企画の意図をきちんと理解しないでなんでも差別差別って馬鹿の思考」「番組全体で沖縄の方言を禁止してた訳じゃないし、札を首から掛けてもいないし、記者役はずっと沖縄の方言で質問してて、つられるか否かのゲームでしたよ。英語禁止ルールは昔からあるのに」「文句言ってるやつはあの番組見てねーだろ 長崎出身の仲里依紗の時もしてたけど、あれは普段方言でない人に方言で喋って言葉を引き出して可愛いねってなる企画だよ」と、批判に対する疑問の声や異論も散見された。