安藤サクラ(37)が主演した14年の映画「百円の恋」が中国でリメークされ、10日の公開から3日間で興行収入(興収)237億円を超える大ヒットを記録した。東映と東映ビデオが14日、発表した。

「百円の恋」は、14年12月20日に公開され、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など国内外の映画賞で21冠を受賞した。今回、中国で製作されたリメーク作品のタイトルは「熱辣滾燙」(英語タイトル『YOLO』=You only live once)で、東映と東映ビデオが中国サイドからオファーを受け実現した。作品開発には、オリジナル版の原作・脚本を担当し、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の脚本も手がけた脚本家の足立紳氏(51)と武正晴監督(57)佐藤現プロデューサーが監修し、中国を代表するコメディエンヌの女優ジャー・リン(41)が主演、監督を務めた。ジャー・リンは同じく主演、監督を務めた21年公開前作「こんにちは、私のお母さん(●好、李煥英/Hi,Mom)」も、中国映画市場において歴代3位の興収54億1300万元(約900億円)を記録する、中国のヒットメーカーだ。

「熱辣滾燙」は、10日に中国国内の劇場で公開され、中国全土での興収は12日までに11億8700万元(約237億円)、観客動員は2517万人を記録。例年、消費が活発となる春節期(旧正月/2月10~17日)のナンバーワン作品に躍り出た。これまで中国でリメークされた日本映画の最高興収は「ザ・マジックアワー」(興収26億2700万元、約533億8000万円)で、「鍵泥棒のメソッド」(興収7億.6200万元、約130億円)が続くが、「熱辣滾燙」はジャー・リンの熱演が支持を集め、中国全土で旋風を巻き起こしており、これまでの記録を超える興行収入が期待される。なお、日本での公開は未定だ。

◆「百円の恋」 故・松田優作さんの出身地の、山口・周南「絆」映画祭で、優作さんの志を受け継ぐクリエイターを発掘すべ12年に新設された脚本賞「第一回松田優作賞」受賞作。実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていた32歳の一子(安藤サクラ)は、離婚して子連れで実家に帰ってきた妹の二三子と折り合いが悪くなり、家を出て1人暮らしを始める。100円ショップで深夜労働を始めた中で、帰り道にあるボクシングジムで1人、練習するボクサー・狩野(新井浩文)をのぞき見することが唯一の楽しみとなっていた。ある夜、狩野が100円ショップにバナナを忘れていったことをきっかけに、2人は距離を縮めていく。何となく一緒に住み始め、体を重ねるうちに、一子の中で何かが変わり始める。

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