フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」(日曜午後6時)で知られる漫画家さくらももこさん(本名非公表)の元夫で、株式会社さくらプロダクションの社長を務めた音楽評論家の宮永正隆氏が14日までにX(旧ツイッター)を更新。

かつてNHKで放送されたドラマで、さくらさんが手がけた脚本などが制作サイドによって改変されていたことを明かした。

宮永氏は、急死した漫画家の芦原妃名子さんが訴えていた「セクシー田中さん」原作改変問題を受け、92年1月にNHKで放送された、さくらさんの自伝的ドラマ「さくら家の人びと~ちびまる子ちゃん一家のその後の生態~」に言及。さくらさんが自ら脚本を書き下ろし、キャスティング案も提出したが、「脚本もキャスティングも一切無視した酷い出来ドラマが『完成版』としてビデオで突然届いたのが放送数日前」と、一方的な改変に困惑するも、「NHKが大々的に正月特番として放送するドラマを今さら差し止められない」との思いから、抗議をしなかったという。

さくらさんのイメージと異なるキャスティングで現実とは異なる描かれ方をし、「おまけに、ラスト近くでさくらが『独り暮らしに際し祖母から渡されたお守り袋』を開けてみるとそこに入っていたのはコンドーム。それを見たさくら(富田靖子)は、おばあちゃんの愛情と先見の明を感じほのぼのという、これまた史実ではない名誉棄損レベルの描かれ方」と、大きく改変されたドラマの内容を説明した。

「日本中のお茶の間で家族で観たであろう『お正月ファミリードラマ特番』の物語の重要場面でこのような下世話なオチはあり得ないし、ちびまる子ちゃん一家を描くドラマには最もそぐわない」とし、「子供とドラマを一緒に観ていて『お守りに入ってたアレ、何?』と訊かれ親は困ったはずだ」と推察。「こんな仕打ちを受けた当事者・原作者は他にも数知れずだが、制作サイドは『そういうもん』となし崩しで押し切ってきた」とテレビ局などの体質について指摘し、「だから今回の『セクシー田中さん』問題は(悲しすぎるが)抗議の死によって、版元窓口も含め『当事者の声を尊重すべき』という当り前の事にようやく気づき始めた事件である」とつづった。