映画「エゴイスト」の鈴木亮平(40)が男優主演賞を受賞した。

鈴木は「この映画で、人を愛するのはとても曖昧なことなのかなと感じました。純粋な愛なのか、わがままなのか。自分はどっちなんだろうと考えたり。愛とはエゴの一部分なのか、わがままは愛の一部なのか。そんなこと考えながら演じました」と撮影を振り返った。

相手役を務めた宮沢氷魚も同作で男優助演賞を獲得。鈴木は「氷魚と一緒にこの場に立てることが最高です」と喜んだ。メガホンを取った松永大司監督(49)と宮沢も祝福に登場。エゴイストチームが壇上にそろい、それぞれで固い握手を交わした。松永監督は「阿川佐和子さんも含め、3人がこの映画を引っ張ってくれた。亮平と氷魚とこの場に立てるのがうれしく思います」と賛辞を贈った。

鈴木は作品のテーマにもなっている「LGBTQ」の知識を深めて撮影に挑んだ。「ニュースなんかで分かっていたつもりだったけど、同姓愛者に認められている権利、自分たちが当たり前だと思っている権利が選択肢としてないんだということが実感として湧きました。この映画をやるのは、演技以上の責任があると思いました。責任が映画への情熱になりましたね」と作品と向き合った自身の胸の内を明かした。

同作は20年に亡くなった高山真さんの自伝的小説の映画化作品。ひかれ合う2人の男性の物語。

◆主な受賞者

日本映画優秀賞「ほかげ」(塚本晋也監督)、男優主演賞「エゴイスト」の鈴木亮平、女優主演賞「市子」の杉咲花、男優助演賞「エゴイスト」の宮沢氷魚、女優助演賞「キリエのうた」の広瀬すず、スポニチグランプリ新人賞(男性)アフロ「さよなら ほやマン」、スポニチグランプリ新人賞(女性)サリ ngROCK「BAD LANDSバッド・ランズ」、監督賞:石井裕也「月」、脚本賞:阪本順治「せかいのおきく」