吉田鋼太郎(65)が、16年に亡くなった蜷川幸雄さんの後を継ぎ芸術監督を務めた「彩の国シェイクスピア・シリーズ」2ndの製作発表会見が22日、さいたま市内の彩の国さいたま芸術劇場で開かれた。17カ月にわたる大規模改修を行った同劇場で、5月7日から第1作「ハムレット」をハムレット役に柿澤勇人(36)オフィーリア役に北香那(26)を迎えて上演。25年に「マクベス」、26年には「リア王」を上演する。
「彩の国シェイクスピア・シリーズ」は、シェークスピア戯曲全37作品の上演を目指し、98年に「ロミオとジュリエット」でスタートした。16年に蜷川さんが亡くなった後は、吉田が芸術監督を引き継ぎ、残り5作を担当。23年2月24日に埼玉会館で大千穐楽を迎えた「ジョン王」で、25年のシリーズを完結させた。ファン、関係者から再演、新シリーズを求める声が相次ぎ新シリーズが始動する。
演出・上演台本に加え、ハムレットの叔父クローディアス役も演じる吉田は「劇団だと25周年。ずいぶん長い。25歳の人だったら50歳…息子、娘が劇団に入るのを目指す年月。毎回、ウソでも何でもなくお客さんが満席で、シェイクスピアを演じられたのは奇跡。パワフルに走り続けたのが蜷川幸雄」とシリーズの経緯を語った。その上で「幸か不幸か、後を任された。不幸…残された5本は、ほぼ上演されない難しいものだった。蜷川さんの血脈を受け続けながら、ずっと一緒にやってきて、魂はあると自負しつつも自分の血を入れつつ、魂を受け継ごうとやってきた面はあった」と振り返った。
第1作に選んだ「ハムレット」については「世界中のありとあらゆる全ての戯曲…鶴屋南北、モリエール、そして『ハムレット』以外の36本含め『ハムレット』と分けられる、特別な芝居。演劇の最高峰と言われている」と説明。その上で「理由、何だか分かります?」と客席に呼びかけ、観客と作品について語り合った。吉田は「僕には、そんな大したストーリーだと思えない。僕は(理由を)分かっちゃった…今、言いません。ぜひ見て欲しい。僕は、18歳から始めて65歳…50年くらいやっている。自分として、納得いくものにしたいから柿澤に来てもらい、北さんに来てもらった。ぜひ、見て欲しい…なぜ、悲劇かが分かる」と呼びかけた。
吉田は登壇してから17分間にわたり、しゃべりっぱなしだった。その後、話を振られた柿澤は「やっと、しゃべれます」と苦笑した。21年の舞台「スルース」で共演した千秋楽の際、吉田から「お前『ハムレット』見えたわ」と誘われたと明かし「男なら、いつか憧れる作品を尊敬する吉田鋼太郎に言ってもらい今に至る。後にも先にも最高のセリフ量だし、全てさらけ出しても追いつかない」などと率直な思いを語った。
北は「私がオフィーリアを演じるのが、新鮮にうれしくて夢見心地。お稽古が始まるにつれ、実感が湧いてくると思うので今、楽しみにしている。きっと私は初めて、こんなお芝居する自分って、いたんだという、初めての出会いがあるんじゃないかという気がして、楽しみ」と笑みを浮かべた。



