歌舞伎俳優の中村獅童(51)が26日放送の日本テレビ系「深イイ話 復活2時間SP 有名人の家族は幸せか?」(午後9時)に出演。

次男の小川夏幹(なつき、3)が生まれながらに両手小指を欠損していることを公表するまでの苦悩について語る場面があった。

昨年11月には会見で公表。会見では「おなかの中にいるときは分からなかった。生まれて初めて分かったこと。それが何となく(指が)普通に見える手術は2回重ねてまいりました」と打ち明けていた。VTRでは2歳になった夏幹が自ら「歌舞伎をやりたい」と言い始めたことを明かした。母の沙織さんは「歌舞伎をやりたいと言ってるけど、もしやったとしても、お客さまが受け入れてくれるのか、っていうのが分からなかった。最初は何も言わずに初お目見えをしてみようって。ハンディキャップがありますって言わないで、それぐらいの方がいいんじゃないかなって思ってたんですけど」と当時を回想した。獅童も「何回も何回も話し合いをしました」と打ち明け、獅童夫妻が出した結論は夏幹の「歌舞伎への思いを全力で支えていく」だった。

獅童は会見内での公表について「舞台をやるからには、先に言っておこうかなと思って。彼が大人になったときに『オヤジはちゃんと会見で自分のことを話してくれたんだな』と。これが本当に正解だったかどうかは分からない。彼が小学校上がったぐらいで、自分の体のことが分かったときに、どういう反応をするのか?ってことですよね。僕らにとってそれは日常。特別なことでもない」と語った。

さらに13年に亡くなった獅童の母、陽子さんの言葉を想像した。獅童は「うちのおふくろは人生を楽しむ天才だった。どんな逆境のときでも、立ち向かうことすら楽しんでいた。何でこんな大変なときに笑っていられるの?って」と母の姿を回想。続けて「(指)1本ないぐらい、どうってことないわよって。構わない、気にすることないわよ、って言うし、俺も彼が物心ついたときにそう言うつもり。どうってことないよって。そういう家族でありたい」と胸の内を明かした。

番組では昨年11月に会見で語った獅童の言葉の反響について「同じ境遇の方からたくさんメッセージをくださって。ものすごい反響だった。僕も知らなかったけど、こんなに生まれつきのことで悩んでいる方が思った以上に多いんだなって」と明かした。

最後は会見で語った獅童の言葉が登場した。「『障害者』とか『ハンディキャップ』っていう言い方があると思うんですけど、外国では『チャレンジド』っていう言い方があるそうで。『チャレンジド』ってカッコいいなと思うんですよ。前を見つめてチャレンジしていく精神」と語る獅童の目には、涙がたまっていた。

そしてVTR内で「夏幹がこれから大人になるにつれ、あの人にしか分からない痛みであったりとか、苦しみだったり悲しさというのが出てくるわけですよ。その気持ちをちゃんと蓄えて、芝居に生かすことが出来たら、もうかなわない」と言って、前を見つめた。