宝塚歌劇団の花組トップ柚香光が24日、相手娘役の星風まどからとともに退団公演「ミュージカル『アルカンシェル』~パリに架かる虹~」の兵庫・宝塚大劇場公演千秋楽を迎え、本拠地に別れを告げた。

サヨナラショーを終えると、最後の本拠地大階段下りは黒えんび姿。同期からの花は専科の水美舞斗から渡され、抱擁した。満席ファンを見渡し「大劇場最後の景色。こんなにも温かくて、美しい景色を心に刻めることが、何よりも幸せです」とあいさつした。

閉幕後には、大劇場施設内で会見した。

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柚香 先ほど宝塚大劇場の最後の大階段を下り、無事に舞台を終えました。関わってくださった全ての皆さまに心から感謝の気持ちでいっぱいでございます。

-最後のお衣装に黒えんびを選んだ理由は

柚香 やはり、この衣装が大好きでして。男役の正装ということで、この飾りがない黒えんびが。

-以前から決めていた?

柚香 前々から決めていたわけではないんですけれども、ずっと、そうだろうなっていう感じはありました。

-最後の大階段を下りた時の気持ちは

柚香 やはり、感謝の気持ちが、自分の中に強く。いつも、お客さまからの思いをいただくんですが、とくに今日の空間は、何にも変えがたい、特別な空間でございまして。その時にお客さまの思いを強く感じまして、本当にありがたかった。

-涙が出そうになった瞬間は

柚香 涙がこみ上げるというよりは、もう本当に心に刻んで、焼きつけておこうというような日々を過ごしてたので、今日も本当に全てがいとおしくて、全てがありがたくて。凝縮して持って帰りたいような。

-大劇場最後の日、どんな気持ちで劇場入りを?

柚香 今日の朝はなんだかすごく幸せな気持ちでした。自分の周りが「ありがとう」に満ちていて。お客さまへの感謝の気持ちと、関わってくださった皆さまへの思いがあふれていて、もう本当に幸せな気持ちで。

-最後のあいさつを終えて、今の気持ちは

柚香 やはり無事に終わって、ホッとしているっていうのが、ものすごくあります。あの空間、今までの時間を抱きしめたいという気持ちがあります。

-最後を実感した瞬間は

柚香 今日あらためて実感というより、日々を重ねる中で、感じることがありましたので、はい。

-サヨナラショーは「はいからさんが通る」から

柚香 やはり、私にとっては大切な作品でございますので、客様の思いでもあったり。(トップ就任前に続き、2度目主演が本拠地お披露目もコロナ禍で延期され)再開させていただきたい-。皆さまも私たちの思い、あの時の感謝の気持ちを込めて。

-大劇場への感謝の思いがメッセージにあった

柚香 本当に青春の全てをささげ、あまりにも思い出が詰まっている場所。毎日の思い出がたくさん詰まっている場所でもあり、自分と向き合って、いろんなことにぶつかりながらも、日々過ごしてきたところでもあったので、なんでしょうね。「柚香光」を作ってくださった、作っていただいた場所でもあります。

-次期トップの永久輝せあとがっちり握手する場面もあった。どんなメッセージを?

柚香 彼女が作っていく花組を見守っていきたいと思っているところでして。どんな組を作ってほしいというよりは、彼女が仲間と作る組を、心から楽しみにしていますし、すごく応援しています。まだ(退団公演の)東京公演もありますが、卒業した後は、お客さまと一緒に、花組を応援していきたいなと思っています。

柚香らは、2月10日に開幕したラスト作は宝塚公演を3月24日に終え、本拠地に別れを告げた。今作は東京宝塚劇場で4月14日に開幕。東京千秋楽の5月26日をもって退団する。