演歌歌手川中美幸(68)が11日、東京・渋谷区で経営するお好み焼き店「かわなか」で新曲「人生日和」の発売記念イベントを行った。

2月21日に発売し、有線の演歌歌謡曲リクエストランキングで1位を獲得するなど好調なスタートをみせている。歌手生活47年目で勝負する人生の応援歌だ。

川中は「この何年間は男と女の愛のテーマを歌ってきた。でも、そろそろファンの人が『待ってました』というような、私らしい応援歌を歌いたかった。案の定、ファンの方からの反応が違います。『やっぱりこれなのよね』と言われます。理屈なしに元気になれる歌。手応えを感じています」と笑顔で話した。

所属するレコード会社「テイチク」の90周年記念曲でもある。デビュー当時を振り返って「今年、私は47周年。細く長く歌いたいとは思っていたが、こんなに長く歌っていられるとは思っていなかった」。1973年(昭48)に17歳でデビューしたが、ヒット曲に恵まれずに2年で歌手を断念して大阪の実家へ戻った。77年に「川中美幸」として再デビュー。そして80年に「ふたり酒」がミリオンヒットに。「ヒット曲の力は本当に大きい。そして人との出会い。これに尽きます。この年になると人への思いや歌への思いが一層深くなります。コロナ禍では『もういいかな…』と思った時期もあった。でも、必要とされている間は頑張らないと。来る仕事は拒みませんっ」。

自身で経営するお好み店でイベントを行ったのには理由がある。「店が19年目。時代の流れとともに人とお会いする機会が減った。人は会わないとダメなんですよ。ここは私の原点。お好み焼きのにおいをかぐと初心を思い出しますから」。

17年に92歳で亡くなった母久子さんは店の“看板娘”で、久子さん目当てに多くのファンが訪れた。「今は外国人の方が結構多い。お客さんの半分以上の時もある。えっ、私が旅行に来ているの?というくらい。いよいよ私も国際的かしら(笑い)。CDをプレゼントすると『サンキュー』って。ドイツやスイス、韓国、アメリカから来ていただいています」。

5月10日から大阪松竹座の舞台にゲスト出演する。「これまでは、自分の思いは口にせずに内に秘めていたが、昨年から言うようにしました。今やっておきたいことを、元気なときにやらないといけない。『松竹新喜劇に出たい』と言ったら、とんとん拍子に決まった。言霊とはこういうこと。私の人生は涙と感動、笑いがあるから松竹新喜劇みたいなもの。カーテンコールでは新曲『人生日和』も歌います」とアピールした。