元宝塚歌劇団星組トップで、退団後は舞台やドラマなどで活躍する柚希礼音(44)が23日、大阪市内で、芸歴25周年記念として上演するソロコンサート第5弾「REON JACK5」の取材会を行った。

「25周年で5回目のREON JACKをした過ぎて、ディナーショーを24年でやったんです」と言うほど、思い入れの深いライフワーク。今回は元星組の仲間たち、汐月しゅう、天寿光希、麻央侑希、綾凰華も出演する。

「せっかくなので、何をしたいか、しっかりと話し合って決めたい。宝塚時代を一緒に歩んできた人たちと一緒に『今』を楽しみたい。温かく幸せなREON JACKになりそう」

構成については現在、企画中だが、ゲストには加藤和樹、黒羽麻璃央、西川貴教、夢咲ねね、井上芳雄、大貫勇輔が決定。井上とは舞台初共演となる。

「今までの私の持ち歌、曲を大切にしながら、宝塚時代のものもとてもかっこよく。突き抜けてかっこいい、が、今回のテーマです。でも、宝塚だけではいけないので、たくさん踊る作品にしたい」

柚希は99年に宝塚歌劇団で初舞台を踏み、09年に星組トップ就任。劇団きってのダンサーとして下級生時代から注目され、在団中もソロコンサートを開催してきた。15年5月に退団してからは、「REON JACK」として、16年から定期開催している。

退団から今年5月で10年目に入る。宝塚では「男役10年」と言われ、一人前の男役になるメドの期間とされるが、芸能界の俳優に転身して、その「10年目」を迎える。

「私自身、男役10年を体感したんですよね。形から入って、やっと10年で…という。女性になって10年(目)、(宝塚で言う7年目までが出演する)新人公演も卒業して、9年…」

感慨深げに振り返りつつ続けた。

「退団してからは、まず、女性として芝居、歌うことが恥ずかしいとこから始まり、ちょっと女性だからちっちゃくしてなきゃ、堂々としてはいけないとか…。でも、やっと、私のままでいいと。仁王立ちだって好きにしていい! って。これからも自分なりの道を歩んでいきたい」

自然体を取り戻し、迎える芸歴25周年。節目で行う「REON JACK5」は、コロナ禍も明け、ファンとのふれあいも増える。

「前回は音が出るもので参加してもらいましたが、今回は声も出せる。発声練習に柔軟体操もしてきてもらわないといけないかも」と笑う。宝塚時代から、大好きだった「客席おり」は「絶対します」と言う。「皆さまと一体感あふれる舞台に。私の愛をいっぱいお返ししたい」と約束した。

8月9~11日にヒューリックホール東京、同29~31日に大阪市のシアター・ドラマシティで行われる。