松竹は18日、創業者のひとり大谷竹次郎の孫で名誉会長の大谷信義(おおたに・のぶよし)さんが10日午前10時24分、亡くなったと発表した。80歳だった。

大谷さんの訃報を受けて、迫本淳一会長(72)髙𣘺敏弘社長(58)山田洋次監督(94)が追悼のコメントを発表した。

迫本淳一代表取締役会長 名誉会長の大谷信義氏は長きにわたり経営の舵を取り、幾多の困難な局面においても不屈の精神で我々を導いてくださいました。

また、温厚で包容力のあるお人柄の中にも経営者としての確固たる信念をお持ちで、公私ともに尊敬申し上げる方でした。生前賜りました数々のご薫陶は、私共にとってかけがえのない財産となっております。我々は大谷信義氏のご遺志を受け継ぎ、社業の発展に邁進する覚悟でございます。

髙𣘺敏弘代表取締役社長社長執行役員 名誉会長の大谷信義氏は映画演劇業界の発展に深く寄与され、当社の経営を最前線で牽引してこられました。人情の機微に通じた温かいお人柄であり、その柔和な微笑みや気さくなお振る舞いは私たちの会社の「顔」そのものでした。氏の背中を見て育ち薫陶を受けたことは、私にとって生涯の誇りであります。大谷信義氏が大切にされたそのご遺志を胸に、社員一丸となって社業の発展に全力を尽くしてまいります。

山田洋次監督 寂しい思いの中で 寅さんシリーズで忙しかった頃、まだ若者の大谷信義さんがぼくの組のスタッフに宣伝部員として参加したときからの長い長いお付き合いでした。穏やかで、ユーモアを解して、映画については冷めた目できっちり評価できる人。あゝもうあの信義さんに逢えないかと思うとなんとも言えない寂しさが迫ってくる、その思いは松竹社員だけではなく彼を知る人なら誰もが共感できることだと思います。ご冥福を祈ります。