歌手山本譲二(59)が16日、都内でデビュー35周年記念コンサートを行った。公演後に会見した山本は、こわばった表情で「悔しいコンサートになりました」。今年5月、右耳が聞こえづらくなり、顔面神経良性腫瘍(しゅよう)と診断された。それでも左耳を頼りに歌い続けてきたが、この日は左耳も聞こえづらかったという。「2、3日前からかぜ気味だったからかも。こんな経験は初めて。自分の声のボリュームも分からないし、割れて聞こえる。観客の拍手も歓声も聞こえなかった」。

 医者からは手術をすると99%の確率で顔面まひが残ると言われているという。服用する薬もなく「腫瘍がこれ以上大きくならないよう、祈るしかない。1日としてそう快感を感じたことがない」と珍しく泣き言を口にした。この日は、歌手志望の長女琴乃さん(22)もステージに立ちデュエット。琴乃さんは、父の告白に「調子が悪いことに気付かなかった」。

 [2009年11月17日9時1分

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