10日に前立腺がんで亡くなった俳優小沢昭一さん(享年83)の葬儀・告別式が15日、東京・新宿区の千日谷会堂で営まれ、中尾彬(70)池波志乃(57)夫妻、草笛光子(79)木の実ナナ(66)ら約500人が参列した。

 式が始まると雨が本降りになり、斎場は冷たい涙雨に包まれた。その中で、中学以来約70年の親友、俳優加藤武(83)が小沢さんの遺影に語りかけるように弔辞を読んだ。「いろんなごっこやってね。おいらんごっこ、ソープごっこ、テレクラごっこ。私は男役で、あんたは女の役。あんたうまいんだよな。永六輔が言ってたよな。俺とあんたおかしい仲じゃないかって」。そして、前日14日に約40年間の放送を終えたTBSラジオ番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」のエンディングの決まり文句「心だぁ」で締めた。「私も、まだちょっとやりたいことがあって、済ましたらすぐにいくから。待っていてちょうだいの心だぁ」。

 ひつぎの中には、家族の写真、同番組次回収録予定用の台本に加え、今月20日に発売予定の句集「俳句で綴る変哲半生記」(岩波書店)が納められた。出棺時には、参列者から「ありがとう」「お疲れさま」の声が上がり、小沢さんは大きな拍手で天国に送られた。