<第16回日刊スポーツ・ドラマグランプリ受賞者発表>

 「第16回日刊スポーツドラマグランプリ」主演女優賞はNHK連続ドラマ小説「梅ちゃん先生」の堀北真希(24)に決まった。平均視聴率20・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、朝ドラでは9年ぶりの20%超えとなった。堀北は10カ月の収録を「自分の中で梅子が積み重なっていった」と振り返った。

 朝ドラのヒロインは女優にとってステップアップの好機になると同時に重圧も相当なものだ。堀北もそうだった。終わってみれば視聴率は20%を超えた。「日々プレッシャーでした。楽しみに見てくださる方の多くの声を聞き、うれしい半面、期待を裏切らないようにと思ってました。収録も毎日たくさんあって戦ってました」。

 生まれた町で医師を目指すヒロイン梅子や物語を好きになれたことが何よりだったと言う。「台本を読んで面白いと思い感動した。この話はきっと朝を明るく元気にしてくれるだろうと思って頑張りました」。収録が進むにつれ、梅子に重なっていく自分を感じたことも大きかった。「最初は共通点をあまり見つけられなかった。ずっとやっていると自分と梅子が半々、それ以上になってきた。女学生から演じているので、自分の中で梅子が積み重なっていった。共感というよりも気持ちが分かるようになりました」。結婚、出産など未知の状況も演じなければならなかったが、役と一緒に成長したことで演じきれた。

 昨年はNHK紅白歌合戦の司会を務め、幅広い世代の支持も得た。それでも「いつもこの役できるのかなと、あまり自信がないんです。周りの人たちに支えてもらい1つの作品ができるし、乗り越えていけるということを本当に感じてます」と謙虚だ。朝ドラ再挑戦の可能性を聞くと「一生に1回と思ったから頑張れましたから」と笑いながら「ヒロインのお母さんとか。そんな日が来たら面白いですね」。少しだけ自信になったようだ。【小林千穂】

 ◆ドラマグランプリ

 3月22日から29日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」、スマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」と宅配読者の携帯会員サイト「ニッカンポイントクラブ」で、昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は2624票。男性が685票、女性が1939票、10代以下が45票、20代109票、30代358票、40代1026票、50代823票、60代以上が263票だった。

 ◆堀北真希(ほりきた・まき)1988年(昭63)10月6日、東京都生まれ。03年映画「COSMIC

 RESCUE」でデビュー、05年日本テレビ系「野ブタ。をプロデュース」や映画「ALWAYS

 三丁目の夕日」などで注目された。ほかにNHK大河ドラマ「篤姫」など。ヒロインを演じた映画「県庁おもてなし課」が5月11日公開。160センチ、血液型B。

 ◆梅ちゃん先生

 12年上半期のNHK連続テレビ小説。空襲で焼け野原になった東京で3人きょうだいの末っ子、下村梅子(堀北)は医師の父親(高橋克実)の姿を見て自分も医師を目指す。祖母(倍賞美津子)母親(南果歩)らに支えられ故郷で医院を開業。幼なじみだった信郎(松坂桃李)と結婚し医師として奮闘する姿を描いた。