来月1日に開局55年を迎えるテレビ朝日が、年間平均視聴率3冠王奪取へ向けて、ビートたけし(67)を午後11時台に起用する。89年の番組開始以来、月曜午後9時開始だった討論バラエティー「ビートたけしのTVタックル」を、4月から月曜午後11時15分開始に移動。昨年、全日タイムで日本テレビに0・2ポイント及ばずに逃した3冠王への切り札に指名した。

 3冠王奪取へのキーマンは、ビートたけしだった。テレビ朝日は昨年、関東地区のゴールデンタイム(午後7~10時)で12・1%、プライムタイム(午後7時~11時)で12・3%と首位だったが、全日タイム(午前6時~深夜0時)では7・8%と、日本テレビに0・2ポイント差をつけられ3冠王を逃した(ビデオリサーチ調べ)。

 テレ朝では全日タイム強化へ4月改編では番組を大幅リニューアルする。ゴールデンやプライムの時間帯と重ならない、午後11時台の全日タイム強化が今回の強化ポイントだ。現在、平日午後11時15分からは「中居正広のミになる図書館」「マツコ&有吉の怒り新党」「アメトーーク!」などが放送されているが、月曜に「ビートたけしのTVタックル」を持ってきてパワーアップする。

 「TVタックル」は89年7月3日スタート。今年7月には26年目に突入する。時事問題をテーマにした著名人によるトークバトルを確立。一昨年亡くなった政治評論家三宅久之氏(享年82)や、田嶋陽子元参議院議員(72)ら人気者を輩出した。

 午後9時から同11時台になることで「福島第1原発の“本当”の現状」「クールJAPANってホントに海外でクールなの」「最新クローン技術でどこまで複製可能」「日本にヒットマンなんて本当にいるのか」など、より過激なテーマが放送候補に挙がっている。

 たけしは「何たってオイラの最長寿番組。自分の顔。これまで政治の話題が多くて、硬直した政局だとバトルがはじけづらかった。これからはニュースを軸にスポーツや社会問題、雑誌の特集記事のような広い視点で番組を作っていきたい。新しい時代の顔となるような論客を世に送り出して、人騒がせな番組作りで大いにヒンシュクを買いたい」と意気込んでいる。

 テレ朝では4月改編で、平日午前11時25分から放送されている「ワイド!スクランブル」を午前10時半開始に早め、前高知県知事橋本大二郎氏(67)を24年ぶりにキャスター復帰させる。平日午後1時台だった「徹子の部屋」と「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」を午後0時台へ早めることなどを決めている。