将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が2日、第30期竜王戦決勝トーナメント2回戦で佐々木勇気五段(22)に敗れた。プロデビューから初黒星となり、史上最多記録だった連勝も29でストップした。

 今年5月の「世界コンピュータ将棋世界選手権」で優勝した将棋ソフト「elmo(エルモ)」の戦況を表す評価値グラフで対局を振り返ると、序盤は互角の戦い。後手の藤井四段が、昼食休憩直後の32手目を打ったところで、先手の佐々木五段有利にグラフが動き始めた。再びグラフが大きく動いたのは、佐々木五段の49手目。1時間を超える長考の末の1手で、藤井四段側に動いた。しかし、夕食休憩後の藤井四段の50手目で再び佐々木五段有利に変動した。

 ◆elmo(エルモ) コンピューター将棋ソフトの名前で「elastic monkey」の略。「まだまだ強くなる」という願いを込めてつけられた。今年5月に川崎市で行われた第27回「世界コンピュータ将棋選手権」に出場。前年は1次予選敗退だったが、局面を評価する評価関数を高精度化し、より良い局面へ進める手を選ぶことで強くなり、大会連覇中の「Ponanza Chainer(ポナンザ チェイナー)」を下すなど決勝リーグを7戦全勝で制し初優勝した。ライブラリ利用のプログラムとしては初の快挙だった。開発者は都内在住の会社員、瀧澤誠さん(34)で自身は将棋は指さない。