カワウソの人気NO・1を決める「第1回カワウソゥ(総)選挙」の投票結果が今日15日、東京・池袋のサンシャイン水族館で発表される。全国36の動物園・水族館で飼育されている84匹が立候補。8月31日から今月9日まで、生き物の情報に特化したウェブサービス「いきものAZ」で投票を受け付けた。日本初のこの企画、総投票数が約51万票と、主催者側の予想を大きく上回るほど関心が高かった。
カワウソゥ(総)選挙は、東京・池袋のサンシャインシティ内のアミューズメント施設を運営・管理する「サンシャインエンタプライズ」が企画した。同社で今年4月、「生き物を見るだけではなく、生き物が好きな人とコミュニケーションを取って盛り上がりたい」「閉館後の姿が見てみたい」といった要望を満たそうと、サイト「いきものAZ」を始めた。
しかも、4月19日は「飼育の日」でもある。「これに合わせてサイトを盛り上げるのに、カワウソの手前みそ自慢をして、総選挙をしたらどうだろうとの話から始まった」と、ウェブ推進部の森下祐輝課長代理(33)は説明する。
かわいいしぐさで人気のカワウソだが、個体は減少が続く。「日本各地で生息したニホンカワウソは、環境悪化で絶滅したほど。取り巻く厳しい現状を理解してもらおうとの狙いもあった」(森下代理)。6月上旬から全国の動物園・水族館に協力を呼びかけたところ、北海道から鹿児島まで、36カ所から立候補が相次いだ。その数、計84匹。うれしい悲鳴だった。
投票前に追い風も吹いた。今年8月、長崎県の対馬で野生のカワウソの姿が38年ぶりに確認されたと発表された。話題性が高くなったおかげで、投票は最初の11日間で約10万票も集まった。締め切りの今月9日の段階で約51万票。「企画当初は合計1万票が目標だった。我々が想像していた以上の数。各種SNSなどで地元のカワウソを応援するとツイートするユーザーも多かった」と森下代理。予想外の反響の大きさに驚いた様子だった。
他の施設では、千葉市動物公園や宮崎市フェニックス自然動物園でも総選挙を行っている。ただ、対象はコアラやゾウなど、園内で飼育されている動物。1種の動物で全国展開する総選挙は、かつてない。ネット上で一気に拡散。地元で人気のカワウソを、地元支持者が推す形で、全体の票数が伸びた。
過去4回行われた中間発表は、地元サンシャイン水族館の「やまと」がいずれもトップ。9月3日に体調を崩して急死したブブゼラ(三重・伊勢シーパラダイス)が2位と動かない。最大派閥として8匹を擁立した神奈川・京急油壺マリンパークの巻き返しはあるか。地盤を生かしたサンシャインの上位独占は? ほかに、カップルやファミリーで1単位となる連合チームもあった。
どのカワウソがトップ当選を果たすのか? 注目の発表は今日午後、サンシャイン水族館で発表される。【赤塚辰浩】
◆ホームページ「いきものAZ(エーゼット)」 今年4月スタート。生き物好きな人が盛り上がるため、全国150以上の動物園や水族館のリピーターが協働し、このサイトに参加。生き物たちの魅力を多くの人に知ってもらうことを目的としている。地理的、時間的な制約がないのが特徴。アドレスはhttps://ikimonoaz.ikimonopal.jp/
◆カワウソ ネコ目イタチ科の哺乳類。今回の参加種であるコツメカワウソ、ユーラシアカワウソなど4種のほか、ラッコも属する。南極やオーストラリア、ニュージーランドを除く世界全域に生息。体長60~85センチ、体重4~10キロ。水かきのある手足が短く、胴体は細長い。泳ぎが得意で、体毛が水をはじく。魚やカエル、ザリガニなどを捕まえて食べる。特別天然記念物のニホンカワウソは絶滅種。

