国連が定めた「世界こどもの日」を2日後に控えた来月18日、皇居周辺で「チャリティーウオーク&ラン 2017」が行われる。学者、ジャーナリストらを中心に発足した国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」が主催。元フジテレビアナウンサーで弁護士の菊間千乃(ゆきの)さん(45)が、10キロラン参加などで盛り上げる。走ることと人権。意外、でも深い接点を聞いた。

 -去年、初めてフルマラソンを走った

 菊間さん 11月の富士山マラソンでした。友達が出るから「私も」と言ったんですけど。中学で10キロ走ったのが最後。スタートが近づくと「走れるかな」って。本当に怖かったですね。

 -感じたことは

 菊間さん 35キロくらいから、何のために走ってるか分からなくなって。足が痛いしつらくて、涙が出てきました。道中は1人。おじいちゃんや女の子にどんどん抜かれて。劣等感を持ちましたね。アナウンサーだ、弁護士だって言ったって、人間の土台である体だけで勝負するとき、自分より優れている人はたくさんいる、って。最後はもう、自分との闘い。完走記念のメダルは宝物になりました。

 -「世界こどもの日」と走ることの結びつきは

 菊間さん 今度またフルマラソンを走るんです。すごくつらかったけど達成感も格別で。誰かと比べるんじゃなく、自分で目標を持って達成することが、どんなにうれしいことか。5キロでも、ランでもウオークでも、感じることってたくさんあると思うんです。子どもも大人も1歩1歩、自分の足で、歩む。一生懸命、前に前にと向かっている人を応援する。これって、まさに相手を尊重すること。走ることを通して自分と向き合い、自立を考えることにもつながると思うんです。

 -参加に制限はない

 菊間さん 子どもはもちろん、走るなんて考えてもみなかった人にこそ、参加してほしいです。参加費の一部は、今年は途上国での児童労働をなくす活動に使わせていただく予定です。世界では、5分間に1人のペースで子どもが命を落としているといわれています。子どもたちが当たり前に教育を受け、人生を選択できる世の中を目指すべきです。子どもの人権について考え、貢献する機会だけでなく、自分の知らなかった一面を発見できる機会になるかも知れませんよ!【聞き手・宮下敬至】

 ◆菊間千乃(きくま・ゆきの)1972年(昭47)3月5日、東京都生まれ。早大法学部卒業後、95年フジテレビ入社。「めざましテレビ」などを担当。07年に退社し10年に司法試験合格。12年から弁護士活動をスタート。血液型AB。