超党派の国会議員でつくる「大相撲の発展を求める議員連盟」(自民党・竹本直一会長)は29日、国会内で会合を開き、横綱日馬富士による暴行問題について、関係省庁からのヒアリングを行うとともに、意見交換した。

 同議連は、11年に発生し各界を揺るがす事態になった八百長問題を機に設立され、約80人の与野党国会議員が所属している。

 会長を務める自民党の竹本直一衆院議員は、「八百長問題の時は一時、日本相撲協会解散の話も出たほどだった。当時の危機感が日馬富士の暴行問題で再燃し、いったいどうなるのかと不安に思っている」と、今回の暴行問題が広げた波紋の大きさに、危機感を表明した。

 「暴行問題の捜査は警察が対応していると思うが、大相撲は日本文化の誇りであり、今の人気を衰えさせてはいけない。この世界に入ってきた人が、夢を持ってしっかり頑張れるようにもしなくてはならない」と述べた。

 今回の問題が日本とモンゴルの友好関係にも影を落としかねない事態になっていることから、「(対応を講じることで)大相撲を通じて、日本を見つめている諸外国に対しても、励みになる」と述べた。

 意見交換は、報道陣に非公開で行われたが、出席者によると、日馬富士がこの日、現役引退を決断したことに、「時期尚早」との指摘が相次いだことを明かした。

 終了後、取材に応じた平沢勝栄衆院議員(自民)は、「まだ、真相がやぶの中みたいなところがある。事実関係がはっきりしないところで、そこ(現役引退)までいくのはどうかということだった。ムードや風の中で、物事がいろいろ決められている」など、現時点での引退判断には、慎重であるべきとの意見が出されたことを明かした。

 この日、日本相撲協会側の関係者は九州場所直後ということもあって欠席したが、議連は今後、相撲協会の関係者や警察庁、外務省などの担当者を呼んで、あらためて話を聞く方針だ。