北朝鮮の三池淵(サムジヨン)管弦楽団が韓国・ソウルでの公演から一夜明けた12日、北朝鮮に帰国した。聯合ニュースなど主要メディアは、午前に楽団がホテルからバス5台で非武装地帯(DMZ)にある京義線・都羅山(トラサン)駅へ移動し、南北出入国事務所を通り陸路で帰国したと報じた。同駅は、毎週月曜と祝祭日は一般の訪問が認められておらず、そのタイミングに合わせての帰国だった可能性もある。

 また各メディアは、11日の公演の最後に韓国の人気グループ、少女時代のソヒョン(26)が登場し、メンバーと歌い、抱き合ったことも報じた。ソヒョンの関係者は「公演当日に青瓦台(大統領官邸)から『ぜひ出演して欲しい。他の理由はない』と緊急連絡が来て、舞台に上がった」と説明。歌った2曲のうち「われらの願い」は知っていたが、「また会いましょう」は知らず「練習する時間もなく、その場で練習して歌った」という。

 ソヒョンの起用理由について、一部のメディアは(1)北朝鮮美女軍団に負けない、きれいどころを出演させたかった韓国政府の意地があったのではないか(2)若く美しい女性歌手で、観客の多くを占めた高齢者も知っているのは少女時代だけだったからと分析した。