安倍晋三首相が、28日夜に開かれたG20大阪サミットでの首脳夕食会で、大阪城を復元した際にエレベーターを設置したことを「大きなミスを犯しました」と発言したことが、障がい者への配慮を欠いた発言だとして批判を広げている。

首相は、あいさつで各国首脳に大阪城について説明した際「150年前の明治維新の混乱で大阪城の大半は焼失しましたが、天守閣は約90年前、16世紀のものが忠実に復元された。しかし、1つだけ大きなミスを犯してしまいました」とした上で「エレベーターまで付けてしまいました」と述べた。

首相の発言に、各国首脳からは目立った反応は起きなかった。

この首相発言について、作家の乙武洋匡氏は29日、ツイッターで「朝からとっても悲しい気持ちになる」と、疑問を呈した。ネット上では「障がい者への配慮もそうですが、足元の悪い高齢者への配慮もない」「このスピーチだけは絶対容認できない」と、首相の発言に批判する声が拡大している。

一方で「ミスは、エレベーターを付けたことではなく、エレベーターと分かるように付けたことだと思う」と、首相の発言の意図を解説する書き込みもみられた。

7月4日公示、21日投開票の参院選では、障がいがある候補者も出馬を予定している。今回の首相発言が、選挙戦に影響を与えかねない可能性もある。