小泉純一郎元首相は10日、都内の日本料理店で東京都の小池百合子知事や自民党の二階俊博幹事長らと会食し、来年小池氏が任期を迎える都知事選の動向について、意見交換した。

小泉氏は会合後、取材に「自民党は今、(小池氏以外の)候補者を検討しているようだが、小池さんに勝てる候補はいないだろって、言っといたよ。小池さんは笑っていた」と明かした。

自民党の武部勤元幹事長、山崎拓元副総裁も出席。山崎氏は「二階幹事長もその通りと、お認めになった。今日の段階では、流れとしては小池再選(出馬)ということになったと思う。小池さんは何も言わなかったが、意欲満々という感じだった」と述べた。

小池氏の任期は来年7月30日で、東京五輪の競技期間と重なる。そのため、大会前の都知事選実施が望ましいとの認識でも、一致したという。

小池氏はこれまで、再選出馬について明言していないが、都の長期的戦略に着手するなど、再選出馬は織り込み済みとみられている。二階氏はかねて、小池氏が再選出馬する場合は支援する意向を示している。これに対し、小池氏と対立する自民党都連は今年6月に、候補者選考委員会を設置し、まだ人選を進めている段階だ。

この日の会食は、小泉政権を支えたメンバーによる、恒例の「同窓会」。小池氏は「楽しい同窓会でした」と語った。

会合では、安倍政権の政権運営にも話が及んだそうだ。ちまたでうわさされる年内の衆院解散・総選挙について「論外。あり得ないだろう」との認識で一致したといい、安倍晋三首相が目指す憲法改正についても、与野党の議論がまとまる見通しは難しいとの声が出たという。【中山知子】