将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が16日、史上最年少タイトル獲得の快挙を達成し、藤井棋聖の地元・愛知県瀬戸市も大きな盛り上がりを見せた。

市内ではパブリックビューイング(PV)が開催され、商店街ではくす玉が割られた。喫茶店では藤井七段にちなんだメニューが提供されるなど、市民から喜びの声が上がった。

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地元では各地域で応援イベントが開催された。「せと銀座通り商店街」では、ジャンボ将棋盤が設置され、空き店舗を利用して応援会を実施。勝利の瞬間、観客は歓声を上げ、拍手とバンザイをして喜んだ。午後3時ごろにつるされたくす玉が割られ、快挙を祝った。

商店街に来ていた加藤洋太郎さん(76)は、藤井の祖母と友人で、祖母からもらった藤井の色紙と扇子が家にあるという。藤井の通算成績ランク表や月間成績などを作成し、商店街で配っていた。加藤さんは夕方の時点では「ちょっと厳しい。この前みたいなことがあるから分からんけど、ひとつ間違えるところっと変わる」と話していたが、勝利を見届けて涙。「大変うれしい。これで2冠も夢じゃない」と喜んだ。

名鉄瀬戸線「尾張瀬戸駅」の近くの複合ビル「パルティせと」でも応援会が行われた。同ビルの1階にある「喫茶スマイル」は藤井にちなんで、この日は「七段カツカレー」「七段パフェ」を発売。カレーは1枚100グラムのカツが7枚のボリューム。店主の鈴木松子さん(53)は「明日はジャンボオムライスを30食限定で発売します」と宣言。パフェは7月16日の祝勝“記念日”にちなんで716円。アイスクリームを7個重ね、藤井の似顔絵が書かれたチョコレートのパイが乗った。勝利により「棋聖パフェ」という品名で、17日から同価格で提供される。

PVは第3局より規模を拡大して開催。会場となった瀬戸市文化センター文化ホールには、夕方の時点で約70人が観戦し、延べ150人が集まった。【星名希実】