岸田文雄首相が、自民党単独で「絶対安定多数」の261議席を確保した衆院選から一夜明けた1日、幹事長を交代する早業人事を行った。

小選挙区(神奈川13区)で敗北(比例復活)した投開票日の夜に甘利明幹事長から辞意表明を受け、岸田氏は1日、茂木敏充外相に後任を要請。次期幹事長を茂木氏に決めた。4日の党総務委員会で正式に決定する。5年以上の長期在職となった二階俊博前幹事長を引き継いだ甘利氏は10月1日の就任から、約1カ月の短命となった。

岸田首相は衆院選の一夜明け会見で「本人とよく話し合った上で私が対応を決定したい」と語り、直後に甘利氏と約2時間にわたって会談。さらに党本部に茂木氏を呼び寄せ、交代人事にケリをつけた。10月4日の首相就任会見で、いきなり10日後の衆院解散や総選挙日程を発表した電光石火をほうふつとさせるスピード決着だった。

岸田首相は、きょう2日から英国で開催される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳級会合に出席し、3日に帰国の予定。4日に幹事長に就任予定の茂木氏は、岸田氏から「コロナからの回復、大型の経済対策を年内に仕上げる。同時に党改革を具体的に大胆に進めて欲しい。来年の参院選も含めてお願いしたい」と要請されたという。

自民党は次期衆院議長に細田博之元幹事長を推す方向で調整に入った。10日召集見通しの特別国会で選出される方向。外相の後任には林芳正元文科相が浮上している。10日の特別国会での首相指名選挙を経て、第2次岸田内閣が動き出す。【大上悟】