日本維新の会は26日午前、立憲民主党に対し、同党最高顧問の菅直人元首相が日本維新の会を創設した橋下徹氏について「(ナチス・ドイツの)ヒトラーを思い起こす」などと自身のツイッターに投稿したことを受けて抗議文を提出した。藤田文武幹事長が立民党本部を訪れ、立民の泉健太代表宛てで「菅氏の投稿は、言うまでもなく、まったく事実に基づかない妄言であり、誹謗(ひぼう)中傷を超えた侮辱と断じざるを得ない。国会議員としてはもとより、人として到底許されるものではない」などとする抗議文を手渡し、今月内に謝罪撤回を求めた。

藤田氏は提出後に立民党本部前で会見に応じ、「党の最高顧問ということは執行部の一員みたいなもの。党としての発言としてもとらえられかねない事案」とした。その上で「ヒトラーというようなことになぞらえて、公党を批判する、または私人を批判するということは国際社会ではほとんど許容されない」とした。また「その後も開き直られているかのようなツイートを続けられておられることに関しては、政治家としての資質を疑う」と指摘した。

立民の逢坂誠二代表代行は前日25日の会見で菅氏の発言について「基本的には菅議員の個人的な発言でありますので、党として、どうこうということは特段の必要はないかな、と思っている」と述べた。そして「個人的にはヒトラーを例に挙げてさまざまなことを言うのは、私個人はあまり好まないやり方と思っている」とした。

菅氏は今月21日にツイッターで、維新について「橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的」と前置きした上で「基本的政治スタンスは曖昧」などと指摘し「主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」(原文まま)と投稿していた。