全国の有権者を対象に選挙戦を繰り広げる参院選比例代表(改選数50)候補者は178人にのぼる。各党の異色候補者の動向を追いかけた。

野党最多26人を擁立した日本維新の会では歌手で俳優の中条きよし氏(76)が後期高齢者としての“素の自分”で勝負する。「この炎天下。短い演説を心掛けている」と聴衆の顔色をみながらマイクを握る。

立憲民主党のベテラン辻元清美氏(62)は今回が初の参院比例代表での出馬。支援者の半数以上が2枚目の投票用紙に個人名を書く認識がなかった。「大阪選挙区から出ると勘違いしてる。タスキに『全国どこからでも投票できます』という言葉を入れた。危機感しかない」と陣営は話す。

元日航客室乗務員(CA)で父親が陸上自衛隊2佐だった共産党の深田秀美氏(62)は「憲法9条があったから父は自衛官として海外派兵されずに活動できた。防衛費の増強など認められない」とCAで培った流ちょうな演説で訴える。

国民民主党からは元都議の山下容子氏(63)が室内緑化をテーマにして環境問題を訴え、選挙カーの屋根に植栽を施している。「屋上緑化は都条例にも入ったが、室内緑化は発展途上。農業振興にもつながることを知っていただきたい」。

自民党から出馬の人気漫画家赤松健氏(54)は自身の作品イラストで彩った「痛車」に乗り「表現の自由を守る」と訴える。全国のファンから電子為書きが多い日で200通以上届き、東京・秋葉原の選挙事務所の壁面は2000通を超える為書きで埋まった。【寺沢卓】

◆参院選の届け出候補者数 選挙区に367人、比例代表に178人、計545人が立候補している。前回2019年参院選の370人(選挙区215人、比例代表155人)から大幅に増えている。政党別の最多は自民党(選挙区49人、比例33人)とNHK党(選挙区73人、比例9人)の計82人。候補者全体の女性候補は181人で、146人だった89年の最多記録を更新した。比例代表には公選法上の政党要件を満たさない諸派6団体から届け出があり、非拘束名簿式を導入した2001年以降では前回19年参院選と並んで最多となった。