松竹(本社・東京都中央区)は27日、日本を代表する建築家黒川紀章さん(故人)の代表作の1つで昨年10月に解体された分譲マンション「中銀(なかぎん)カプセルタワー」のカプセル2室について、今年9月から東京・銀座エリアの東劇(中央区築地4丁目)隣接地に常設展示すると発表した。新設する建物の中に、カプセル2室を設置し、アートなどを展示する新スペース「SHUTL(シャトル)」として開業する予定。
松竹は「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する」という社是と、黒川氏がタワーに込めた「メタボリズム(新陳代謝の意味)」の理念が合致するとした。
中銀カプセルタワーは、直方体のカプセル140室が積み木のように重なった形状の独特のマンションで、カプセル1つひとつを取りかえることができる仕様になっていた。昨年10月に解体工事が終わっていた。
解体されたタワーのカプセルのうち、継続使用可能な23室が残され、再利用の日を待っている。23室のうち中身の装備を除去した外枠だけのスケルトンタイプが9室、テレビや冷蔵庫、ベッド、オープンリールの音響機器、ユニットバスなどの機能はそのままに機材を新調したオリジナルタイプが14室ある。
タワーの維持管理などをしていた「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」も、タワーが解体されたことで「カプセル新陳代謝プロジェクト」を新たに立ち上げ、カプセルの譲渡先を選定している。
これまでにカプセルの譲渡をめぐる問い合わせは国内外から100件以上。松竹の2室以外に国内では、宿泊用に5室、茶室用に1室、トレーラーハウス用に1室、海外の美術館に8室が引き取られる予定。プロジェクトの前田達之代表は「まだ、決定しないのも若干数ある」として今後も譲渡計画案を受け付けるとしている。【寺沢卓】

