作曲家の三枝成彰(さえぐさ・しげあき)氏(81)が22日、団長として率いる「六本木男声合唱団ZIG-ZAG」(ロクダン)では初めてとなる築地本願寺本堂(東京・中央区)でのコンサートに臨んだ。本堂内はほぼ満席。結成24年で欧米諸国での海外公演も経験してきた合唱団に新たな歴史が刻まれた。

この日は、ピアノと電子オルガンの伴奏者とともに80人の団員が4つのパートに分かれて熱唱した。本堂前部分の畳(たたみ)のエリア「内外陣(うちげじん)」は土足厳禁のため、パートごとにはいている靴下の色を統一。「テノール1」がオレンジ、「テノール2」が黄色、「バリトン」は緑、「バス」は青だった。観客席からは「これならパートが分かりやすい」「おじさんだけどカワイイ」などほっこりするコメントが飛び交っていた。

前半は三枝氏が編曲した日本の歌で「待ちぼうけ」「夏は来ぬ」「村祭」「荒城の月」などが次々と伸びのある声で歌唱された。特に「汽車メドレー」では、さまざまな汽車に縁のある歌について、団員全員による振り付けで愉快に歌われた。

後半では三枝氏の作曲した、宇宙の広さと尊さを重厚な世界観のスケールの大きな楽曲「カンタータ 天涯。」が披露された。

来年で結成25年になることについて三枝氏は「まあ、解散せずによく続きました」と深くまぶたを閉じて「でもね、うまくはないんですよ。非常に楽しんでいる。これだけ多くの団員がいますが楽譜を理解できている人は3~4人ぐらいです」と楽しそうにしみじみと言葉をかみしめた。

団員最年長で、この日が91歳最後の日となった佐久間■二(しょうじ)さんは「こんな素晴らしい舞台でできるなんて」と素直に喜び「確かに楽譜も読めずに入団しました。カラオケでは演歌が専門。こぶしとビブラートを使わない歌い方で苦労しました。練習ではうまい人の隣に立って、耳で覚えて追いかける。もっとうまくなりたいですね」とさらなる高みへのチャレンジに意欲をみせた。

今後について三枝氏は「2年後の予定は決まっている。スペインにいく。バルセロナのサクラダファミリアで歌ってきます。別に呼ばれてませんが、押しかけます」と会場を笑わせた。

ロクダンは、1999年(平11)に結成。エイズ・チャリティー・コンサートのために約20人の著名人で特別編成された「元美少年合唱団」が母体となっている。

その後、三枝氏が団長となって「六本木男声合唱団倶楽部」と改称して、経済界、政界、法曹界、文化・芸術分野トップではあるものの、歌唱ではアマチュアプレーヤーが集まり2015年11月まで活動した。翌16年2月に「六本木男声合唱団ZIG-ZAG」として、一般からも団員を募集し、現在20代から90代まで93人のメンバーで構成されている。

練習は毎週水曜の夜、六本木地区に集結して声の奥行きに磨きをかけている。

築地本願寺での公演の収益は西本願寺(京都市)の推進する「子どもたちの笑顔のために募金」に寄付された。【寺沢卓】

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