斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題で、疑惑を検証した外部の弁護士でつくる第三者委員会が19日、調査報告書を公表した。文書を公益通報と扱わずに告発した元県幹部の男性を懲戒処分にしたのは「明らかに違法」と認定し、処分は無効だとした。パワハラ疑惑については調査対象16件のうち、10件を「パワハラに当たる」と判断した。

第三者委は、元裁判官で委員長を務めた藤本久俊弁護士ら計6人の弁護士で構成され、県議会調査特別委員会(百条委)と同様に7つの疑惑と、公益通報として県の対応の妥当性について調査した。報告書は資料を含めると264ページに及び、「極めて不当」など厳しい言葉が並んだ。

パワハラ疑惑16件とは別に、斎藤氏が昨年3月の記者会見で告発男性を「公務員失格」「うそ八百」と非難したのも「職員を萎縮させ、パワハラに該当する行為だ」と指摘した。

「違法の可能性がある」などとした百条委よりも厳しい判断となったが、斎藤氏は「重く受け止めている」と神妙に話す一方、「告発文書は誹謗(ひぼう)中傷性が高いと考えている」と従来の主張を繰り返した。

3月5日の定例記者会見で、告発男性の公用パソコンに保存されていた私的文書の内容について「倫理上極めて不適切な、わいせつな文書を作成していた」と中身に触れたことについて、報告書では「公式の場では、人を傷つける発言は慎むべき」と苦言を呈した。今後、責任を問う声がさらに強まりそうだが、斎藤氏は「反省すべきは反省し、改めるべきは改める。しっかりと県政を前に進めることが私の責任」と強調した。【松浦隆司】